イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学知的財産ポリシー

 社会の要請に合致した教育と研究の実現と質的向上、並びに教育と研究の成果を活用した社会的貢献が九州工業大学の使命と責務です。

 本学は開学以来の理念である「技術に堪能なる士君子」の養成に基づき、世界をリードする高度技術者の養成を基本的な目標としています。学術研究面では、研究の質的向上とともに、地域社会とともに発展してきた歴史を重視し、世界に向けての「知と文化の情報発信拠点」であり続けることにより、「知の源泉」として地域社会の要請に応え、教育と研究の成果を活用することにより次世代産業の創出・育成を図り、地域と世界に貢献します。
国立大学法人の予算の大部分は国民の税金で賄われています。したがって、本学が知の蓄積と創意工夫により創出した有用な研究成果は知的財産として保護し、これらを我が国の経済や産業の向上に資することは、本学の果たすべき重要な使命であると考えています。

 知的財産等を有効に活用した社会貢献を実践するため、本学では知的財産権の創出、取得、管理、活用を促進する体制の整備に努めます。すなわち、職務発明に係る知的財産権のうち本学が承継する対象と範囲を審議するとともに、本学で生み出される知的財産等については、原則として、発明者と本学との間の契約により本学帰属とし、イノベーション推進機構 グローバル産学連携センター 知的財産部門で一元管理し、本学の技術移転活動やTLO等の外部機関との連携を通して活用します。

 本学は知的財産を活用することを最重要課題と捉え、研究活動の経緯やその成果の社会への還元等の要因を考慮して、知的財産の取扱いについては柔軟に対応します。大学における学術研究は、研究者の自主性を尊重しつつ、長期的視野に立脚した基礎的研究を重視するとともに、社会的要請に応えて自らの研究成果を活用することが必要です。本学は工学部、情報工学部および生命体工学研究科から構成され、大部分の工学に対応する基盤分野とそれらが融合した新工学分野が両輪となって活動しています。したがって、本学が対応する工学分野は多岐にわたり、それぞれの学術分野やその対象となる産業分野に応じて、知的財産の活用方法は柔軟に対応する必要があります。この目的を達成するため、各々の工学分野の特徴や研究成果の有効な活用を考慮して、本学は多様な契約形態を整備して、知的財産の活用に努めます。

 また、本学の特色は、大学発ベンチャーの創出等、学術研究成果の社会への還元です。大学の公益性と民間機関の利益追求の理念は相違することがあるため、大学に所属する構成員に利益相反と責務相反の問題を考慮する必要があります。本学の教職員はこれらの問題を真摯に受け止め、大学人として理性をもって行動することを目指します。

 一方、知的財産の取得、管理、活用面では、地方に位置する本学は、知的財産権に係わる人材の不足を補うシステムを構築する必要があります。本学は、情報技術と外部機関を最大限に活用して、地方に位置する大学のモデルとなる組織を構築し、さらに知的財産を重視する地域社会の構築に寄与することを目指します。

 本学では知的財産に関する上記の理念を本学教職員に対して適用しますが、本学と雇用関係にある学生等や本学と連携する学外機関に対してもその権利を尊重します。本学と雇用契約のない学生等については、本学が定める発明に関する規則等により本学へ発明を届出た上で、この発明に係る特許を受ける権利を本学が承継する場合には、学生等と本学との間に移転契約を締結します。