イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

嶋田 和孝

しまだ かずたか

所属
情報工学研究院
知能情報工学研究系
プロフィール
1974
生まれ
2003
博士(工学)
大分大学
2003
大分大学大学院工学研究科博士後期課程環境工学専攻修了
2002
大分大学大学院工学研究科博士後期課程環境工学専攻単位修得退学

人間の意思伝達において最も重要な役割を果たすのは言語(言葉)です。私の研究テーマである自然言語処理とはこの言葉の意味を理解することが最終的な目的です。人と円滑なコミュニケーションがとれるロボットの実現やWebから欲しい情報を正確に探し出すシステムを作るためにも、自然言語処理は不可欠であり,チャレンジングな研究です。

受賞
言語理解とコミュニケーション研究会 2012年 優秀研究賞

より詳しい研究者情報へ

言語理解とコミュニケーション

● 研究テーマ

  • ❖Web上のテキストなどを分析する
  • ❖人間同士の対話を理解する

● 分野

知能情報学・自然言語処理・マルチモーダル情報理解

● キーワード

評判分析・情報要約・テキストマイニング・対話理解・マルチモーダル

● 実施中の研究概要

現在は大きく分けて2つの内容について研究をしています。

1.Webを対象とした言語処理
Web上に存在するレビューなどの評判情報を分析しています。具体的にはTwitterから製品の不具合情報を検出・可視化する研究やレビューの内容が肯定的意見か否定的意見かの分類、その分類結果に基づく評判情報の要約、さらに国ごとの評価の特性などの差分検出などを行っています。
また、TwitterやWeb上に存在するデータなどの要約についても研究しています。具体的には、スポーツの試合に関連するTweetsをまとめて試合の概要を生成したり、試合中のデータなどを利用した一言要約などについて研究をしています。

2.複数人対話を対象とした対話理解と支援
複数人による意思決定対話を対象に、その内容を理解して要約したり、より良い意思決定ができるような対話支援の枠組みを構築しています。
対話理解の研究では、四人一組による対話データ(コーパス)を構築し、Kyutechコーパスという名前で無償公開しています。この対話データへのアノテーションや分析を行い、対話の内容を要約するシステムの構築を進めています。
対話支援の研究では、議論マップと呼ぶ、議論を各自が可視化するツールを作成し、その結果をシステムが理解し、より良い結論へ導くためのデジタルファシリテーターの構築を目指しています。
最終的には、言葉による対話内容と参加者の仕草などの情報、さらに議論マップから得られる情報を統合したマルチモーダル情報理解の実現を目指しています。

      言葉を分析・理解する

● 今後進めたい研究

言語における文脈的な要素のみならず、人間関係やそれぞれの地位や役割などの情報も広義の文脈と捉えた知的情報処理に関する研究を行っていきたいと考えています。

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

『NEDO 次世代ロボット 知能化技術開発プロジェクト 「施設内生活支援ロボット知能の研究開発」 』 株式会社 安川電機、 国立大学法人 九州大学、 国立大学法人 九州工業大学、 独立行政法人 産業技術総合研究所 (2007-2011)

● 研究室ホームページ