イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

助教

山本 邦雄

やまもと くにお

所属
情報工学研究院
知能情報工学研究系
プロフィール
1974
生まれ
2003
九州工業大学
大学院情報工学研究科
博士後期課程情報科学専攻
退学
2000
九州工業大学
大学院情報工学研究科
博士前期課程情報科学専攻
修了

銀行のATMなど自動化されたシステムには、人の絵や写真が表示されている場合があり、扱いに慣れてない人にとっては多少なりとも安心感を与えているのではないかと考えました。同時にさらに多くのシステムで、親しみがあり様々な適切な動作をしてくれるキャラクターがあれば良いのではないかと思いました。コンピュータグラフィックスのキャラクターの動作を制御するには様々な操作をする必要がありますが、それをもっと簡単にできるように、また、さらには操作を意識しなくても勝手に不自然でない動作をするような システムを作りたいと思っています。

より詳しい研究者情報へ

いつでも、どこでも、何度でも、発表者に代わってキャラクタ-がプレゼンテーションや講義をしてくれます。

● 研究テーマ

  • ❖キャラクターによるプレゼンテ-ションシステム

● 分野

メディア情報学、デ-タベ-ス

● キーワード

コンピュ-タグラフィックス、モ-ションキャプチャ、プレゼンテ-ションシステム、
アニメ-ション、人体キャラクター、擬人化キャラクタ、擬人化エ-ジェント

● 実施中の研究概要

本研究は、プレゼンテーションや講義 (授業) などで利用されるスライド上に、キャラクターを配置したシステムです (図1) 。
プレゼンテーションなどの際、広い会場では、発表者とスクリーンが離れている場合があり、発表者がスライドのどの場所を説明しているか分かりにくかったり、またスクリーンが複数ある場合には、すべてのスクリーンを指さすことができなかったりします。そこで、スライド上のキャラクターが、説明箇所を指さしたり、うなずいたり、といった様々なジェスチャーを行うことで、発表者を支援します。発表者は、マウスを使って、簡単にキャラクター位置の変更や、スライドへの書き込みなどができます (図2) 。
また、キーボードからの入力で、キャラクタにジェスチャーを行わせることもできます。マウスや、キーボードの入力は、入力データとしてファイルに保存できるので、マイクを使って音声も一緒に保存することで、同じプレゼンテーションの内容を、何度も繰り返し見ることができます。つまり聞き手は、一度見たプレゼンテーションを後から見直したり、講義 (授業) の復習で、見直したりすることができるのです。発表者側も便利なように、発表後にスライドの順番を変えることができるようになっています (図3) 。スライドの順番を変えるだけで、マウスやキーボードの操作や、マイクで録音した内容も、自動的に正しい順番に入れ替わるようになっています。発表した後で、もっと分かりやすい順番に並び変えることで、より理解しやすいプレゼンテーションや、講義 (授業) を、何度も見せることができます。
今後は、マイクからの音声を解析したり、3Dマウスや Wii リモコンのような、加速度センサーの状態を解析したりして、ユーザーの声や動作から、自動的にキャラクターが動くシステムを目指しています。自動的に

キャラクターが動くことで、発表者はキーボードからの入力を考える必要がなく、発表そのものに集中できるようになり、より便利なシステムになるのです。

● 今後進めたい研究

現在は、プレゼンテーション中の発表者が(無意識にする)動作を、システムが読み取り、キャラクターの動きに反映しようとしていますが、今後はもっと様々な場面で応用できればよいと思います。たとえば、家での動作や移動に関して、家電が自動的に適切な設定に変えたりするインテリジェントハウスなどもあります。さらに、そのような環境でも、ユーザーが困った場合や製品の利用方法が分からない場合などに、キャラクターがユーザーを支援できるシステムなどもできれば面白いのではないかと思うのです。

● 研究室ホームページ

http://www.pluto.ai.kyutech.ac.jp/~kunio/