イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

吉田 隆一

よしだ たかいち

所属
情報工学研究院
情報・通信工学研究系
プロフィール
1958
生まれ
1987
工学博士
慶應義塾大学
1987
慶應義塾大学大学院
工学研究科博士課程電気工学
専攻修了
1984
慶應義塾大学大学院
工学研究科修士課程電気工学
専攻修了

私が大学院生の頃、計算機ネットワークが、実用的になり始めるとともに、オブジェクト指向計算が、濫觴(らんしょう)期を終えた時期でした。当時は、集中型の汎用大型機が、主流でしたが、これにより、オブジェクト指向計算と、分散計算の持つ、様々な可能性を試したくなりました。

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情報システムの世界は無限である

● 研究テーマ

  • ❖テーマ1:適応型分散オブジェクト指向計算に関する研究
  • ❖テーマ2:3次元地理情報システム

● 分野

計算機システム・ネットワーク
メディア情報学・データベース

● キーワード

オブジェクト指向計算、 分散計算、 システム構築、適応性
オブジェクト指向モデル、 地理情報システム、 3次元地図

● 実施中の研究概要

【テーマ1】
大規模システムにおいては、プログラムの実行環境は常に変化しており、実行中のプログラムが中断せずに実行を継続するために環境変化に対する適応性が必要となります。例えば、「たった1台の端末機のトラブルのためシステム全体がダウンしてしまった」話などはその好例と言えます。これら動的変化としては、障害や例外の発生など実行継続が不可能となる致命的なものからCPU負荷の増大、記憶領域の不足など実行効率の低下を招くものまで様々な要因が考えられます。これらの変化は必ず起き得る事ですが、いつ、どこで発生するか予知できないので、システムはそれに動的に適応する必要があります。本研究は、このような予期せぬ事態への統一的な対応を実現する方法として「適応能力を個々のオブジェクトに持たせ自己を動的に再構成するオブジェクトを実現することで動的に、かつ柔軟に適応する」頑強なシステム構築を実現する事を目的としています。研究段階的には、基礎的段階にありますが、将来的には、決して止まる事の無い情報システムの構築が可能になると期待され、社会的にも大きな意義のある研究と言えます。
【テーマ2】
地理情報システムは、地下埋設物の管理やカーナビゲーションシステムに代表される様に、各分野において大いに利用されておりますが、現在は何れも2次元(平面)で構築されており、高さの要素は組み込まれておりません。これを3次元(立体)化出来ればリアリティーが増し、例えば市街地における建築物の様子が一目で判る様になり利用度が大いに上がると期待されます。研究段階的にはシステム・開発要素も出来、実用化の手前まで来ていると云え、具体的には以下のシステムを開発中です。

❖ 身障者用の施設内ナビゲーションシステム

ショッピングモールなどにおける段差やスロープなどの高低差をナビゲーションシステムに組み込むことにより、車いす利用者に取っての最適経路の提供など利便性を大いに高める事が出来ます。本研究は企業との共同研究で実施し実用化レベルに至りました。

❖ 低燃費ナビゲーションシステム

例えば標高差のある道路や山越えなど、実際の走行に応じた燃費計算を行い、低燃費な経路を提供するナビゲーションシステムを開発しています。本研究は経済産業省委託事業として進めています。

● 今後進めたい研究

「適応型分散オブジェクト指向計算に関する研究」をより進展させ、超大規模システムの構築法に取組みたいと考えています。大規模なシステムを構築しようとする場合、要求そのものが曖昧で、稼動開始後の要求仕様の変更や実行環境の変化など、予測不能な状態でのシステム開発が必然的に必要になりますので、このような事態にも対応できるシステム構築法を確立したいと考えています。

● 知的財産権(技術シーズ)

▶地図表示システム 特願2006-218888
▶故障判断機能を備えた乱数生成装置 特許3447976

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
2004〜2007 ハンディキャッパー個人に応じた情報提供に関する研究
2004〜2007 3次元市街地地図に関する研究
2007 XML符号化による3次元地図の記述
【受託研究】
1998 白色雑音による物理乱数生成装置
【論文】
①『Route Navigation Method for Disabled Access GIS in Consideration of Abilities and Psychologies』 Journal of Digital Information Management 6/4 (2008)
②『分散計算における全順序保証プロトコルの適応的選択』 情報処理学会論文誌、49/2 (2008)
③『Implementation of an Adaptive Total Ordering Protocol』
International Journal of Computer Science and Network Security 7/7 (2007)
④『A Simple Reconfigurable Object Model for a Ubiquitous Computing Environment』   
International Journal of Computer Science and Network Security 7/5 (2007)
⑤『Dynamic Replication Strategies to Enhance the Dependability of Ubiquitous Systems』  
Annual Research Journal of SLSAJ 7/ (2007)
⑥『Adaptable Fault Tolerance Architecture for Distributed Computing』  
Annual Research Journal of SLSAJ 5/ (2007)
他、94編
【著書】
① 『九工大世界トップ技術』 西日本新聞社
② 『RoboCup 2000: Robot Soccer World Cup IV』 Lecture Notes in Artificial Intelligene 2019 Springer
③ 『RoboCup-99: Robot Soccer World Cup III』 Lecture Notes in Artificial Intelligence 1856 Springer
④ オブジェクト指向ソフトウェアテスト技法(翻訳)共立出版

● 研究室ホームページ