イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

助教

李 旻哲

りー みんちょる

所属
情報工学研究院
情報・通信工学研究系
プロフィール
1971
生まれ
2004
博士(情報工学)
九州工業大学
2004
九州工業大学
大学院情報工学研究科
博士後期課程
情報システム専攻修了
2003
九州工業大学
大学院情報工学研究科
博士後期課程
情報システム専攻単位
修得退学

留学をしている時に、恩師と「皮膚科ではアレルギー反応などはどうやって判断するのか?」という話をして調べた結果、目で判断すると聞きました。それでは、人によって少し判断基準が違うのではないかと考え、うちの血流システムを皮膚に適用して血流変化を画像化し、数値化して定量化することで判断基準になるだろうと考えて、皮膚科医とあれこれやり取りしながら研究をすることになりました。

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血流システムの小型化・性能向上による運動効果判定・病気予防及び治療への寄与増大

● 研究テーマ

  • ❖レーザ散乱現象を利用した皮膚血流分布画像化システムに関する研究
  • ❖医療介護用皮膚血流測定システムの開発と応用に関する研究

● 分野

①医用生体工学
②福祉工学

● キーワード

医用画像計測、レーザ応用計測、LSFGシステム、血流画像、皮膚血流

● 実施中の研究概要

レーザ散乱現象を利用した皮膚血流分布画像化システムに関する研究

アレルギー性皮膚炎をはじめとする皮膚病や振動障害(白ろう病)などの末梢血行障害は、疾患部分の血流変化と密接な関係があると言われています。振動病などの末梢血行障害は、指先や手のひら全体に症状が現れ、皮膚病に至っては、手のみならず、ひどい場合は全身に症状が広がる事もあります。そこで私は、狭い領域から広い範囲の血流変化を観察できる皮膚血流画像化システムの開発を行いました。その結果、様々な刺激による皮膚血流の経時変化を観察することができました。また手、腕、体を測定できるように測定領域を120×180mm2まで広げることに成功しております。現在、本システムを用いて、多くの大学病院や研究機関で測定実験が行われております。そこで炎症に関連した症状の治療や皮膚病、食品による人体への影響など、様々な分野への応用が検討されています。
今後はシステムの通信速度向上、血流評価量の改善などハードウェアやソフトウェアの改良により、以前より滑らかな血流画像を描画することが非常に重要な研究課題であります。本システムは広汎な身体部位で皮膚表層の毛細血管内血流を接触後数秒以内に測定できるというこれまでに無い特徴を保有していることから、皮膚の血行状態を指標にして人の健康状態を幅広く把握することが可能になれば、医療や介護の現場における病気予防・治療、更には健康増進を図る際の効果的な手段となり得るため、その医学的且つ社会的有用性は極めて大きいと考えます。

医療介護用皮膚血流測定システムの開発と応用に関する研究

近年日本では高齢化が進んでおり、高齢者の褥瘡(床ずれ)や動脈硬化、心臓病、高血圧、糖尿病などが増え、高齢者の健康に対する不安や医療費の増加を招いています。高齢者の身体機能の低下による健康障害を改善するために、運動を行うことが有効であるとされていますが、適切な運動効果を表すことは困難です。私は、当研究室で過去数年にわたって研究してきた、レーザスペックル血流画像化法を機能拡張して、高齢者が運動する際に、その場で運動の効果を判定すると共に、日々の運動に対する意欲向上につながる運動効果判定システムを新たに開発しました。実際高齢者の運動前後の血流変化の測定により、皮膚血行と疾患との相関、更には健康状態との相関を幅広く実測することが可能となりました。
これからは測定デバイスの精度の向上と小型化を行うため、スポット照射により得られる散乱光の受光部に、より高感度のセンサーを使用し、レンズを含めた全光学部品ハウジング部の小型化と一体化を実現するための設計、試作を行い、測定デバイスの高密度化を図ると共に回路基板へのマウントを容易にしたいと考えています。このような改良により、運動を通した健康増進やリハビリテーションに直結する装置として、介護施設や病院で広く利用される可能性があります。また本システムは運動効果判定のみならず医療や介護の現場における病気予防・治療など広い活用が期待できます。

● 特徴ある実験機器、設備

エリアセンサーを用いたLSFG装置
(注)LSFG=Laser Speckle Flowgraphy(レーザスペックルフローグラフィ)

● 研究室ホームページ

皮膚血流測定システム

皮膚血流測定⑴

皮膚血流測定⑵

医療介護用血流測定