イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

渕脇 正樹

ふちわき まさき

所属
情報工学研究院
知的システム工学研究系
プロフィール
1972
生まれ
2000 博士(情報工学) 九州工業大学
2000 九州工業大学大学院 情報工学研究科博士後期課程情報システム専攻修了
1997 九州工業大学大学院 情報工学研究科博士前期課程情報システム専攻修了

在学時より,非定常運動する運動体まわりの渦流れ構造およびその非定常流体力特性に興味をもち,可視化計測(定量的流れ場計測)実験,非定常流体力測定実験だけでなく,数値シミュレーションにより,その解明を目指してきました.現在も引き続き,様々な複雑流動場の渦構造の可視化および解明に挑戦しています.その一方で,導電性高分子ソフトアクチュエータ(人工筋肉)の流体工学的応用にも挑戦しています.

受賞
日本機械学会 流体工学部門 一般表彰(フロンティア表彰)
可視化情報学会第36回可視化情報シンポジウムグッドプレゼンテーション賞(2008年)
可視化情報学会奨励賞(2004年)
日本機械学会第81期流体工学部門優秀講演表彰(2003年)

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複雑流動場の定量的可視化計測およびその渦流れ構造の解明

● 研究テーマ

  • ❖光学的可視化手法および数値シミュレーションによる渦流れ構造の解明
  • ❖変形する運動体まわりの渦の動的挙動と渦流れ構造の解明
  • ❖蝶の翅まわりに発達する渦輪の生成・成長メカニズムの解明と渦輪による非定常流体力の予測
  • ❖導電性高分子によるソフトアクチュエータ(人工筋肉)の開発とその工学的応用

● 分野

流体工学,バイオエンジニアリング

● キーワード

渦,はく離,可視化計測,PIV計測,流体構造連成解析

● 実施中の研究概要

❖運動体まわりの流れ場に関する研究は、はく離、渦、後流といった流体工学的基礎現象であり、代表的非定常現象の一つである。最近では、弾性変形する運動体まわりの流れ場が注目されているももの、この現象は、運動体の弾性変形とその流れ場の変化が相互に作用する流体構造連成問題であり、その現象の解明は容易ではない。本研究では、この現象による渦の生成、成長、発達、さらには、これらが非定常流体力に与える効果、また、その渦の性質を明らかにするために、流れの定量的可視化計測(PIV計測)および流体構造連成解析によりアプローチしている。
❖蝶の翅は、無数の翅脈が張り巡らされており、その羽ばたき運動により弾性変形する。流体構造連成問題の解決のための一例、さらには、近年、注目されている小型羽ばたき飛翔体のための基礎データ構築のために、蝶の飛翔メカニズムの解明に挑戦している。特に、蝶の翅の羽ばたき運動により生成される渦の三次元構造およびその動的挙動を定量的可視化計測(PIV計測)により明らかにすることに挑戦している。
❖電子機器の小型化が進む一方で、その内部の発熱量も増加する傾向にあり、電子部品の低寿命化・機能の低下・最悪の場合には部品発火点を越えることによる発火を引き起こす原因となる。そのため、電子機器の発熱による温度上昇の低減が行うことができれば、性能向上・高寿命化の大きなアドバンテージとなる。電子機器を自然空冷により、その冷却性能の向上を実現するために、電子機器内部の流れ場を理解し、その適切な形状およびスリットの配置の最適化を行う。そのために、電子機器内部の流れ場の定量的可視化計測(PIV計測)により、その複雑な内部流れの構造および挙動の解明に挑戦している。
❖導電性高分子は電気化学的な酸化・還元反応により膨潤・収縮を行う(電解伸縮)ことが知られており、これを利用したソフトアクチュエータ、または人工筋肉として注目されている。導電性高分子によるソフトアクチュエータは小型、軽量であり、さらには、高応答性、高耐久性、柔軟性、可塑性を有し、低駆動電圧で駆動可能である。さらには、空気中、水中だけでなく広範囲のpH領域の溶液中でも駆動することから、新機能性材料として注目されている。この導電性高分子ソフトアクチュエータの最適化設計法の構築、その電気化学特性、さらには、その工学的応用に挑戦している。

● 特徴ある実験機器、設備

ステレオPIV (2D3C) 計測システム、PIV計測(2D2C)システム、ハイスピードカメラ、YLFレーザー、回流水槽、風洞、非定常流体力測定システム、流体構造連成解析用並列計算機、電解重合システム一式 (導電性高分子アクチュエータ作成およびその電気化学測定システム)

● 知的財産権(技術シーズ)

羽ばたき飛翔ロボット 特許第5626916号、(2014)
Flapping Flying Robot, US 9016619 B2, PCT/JP2010/062627, (2010)
マイクロポンプ,特願2010-078697,(2010)
移動体の前方への飛出し物体の検出方法及びその装置,特願2010-176525,(2010)
開閉運動アクチュエータ,特願2007-75069,(2007)
イオン伝導複合体アクチュエータの駆動制御装置およびその駆動制御方法,特願2007-187288,(2007)
微小流体輸送ポンプ及び導電性高分子アクチュエータ素子,特願2005-119279,(2005)

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

▶『蝶の翅上に形成される三次元渦構造の発達過程とそれが生み出す揚力/推進力特性の連関機構の解明』平成23、24、25年度8. 矢崎科学技術振興記念財団特定研究助成
▶『羽ばたき飛翔ロボットの高機能化へ向けた蝶の翅上の渦輪の成長・発達過程とその揚力/推進力へ与える影響の解明』平成22年度三菱財団自然科学研究助成
▶『蠕動運動するチューブ状ソフトアクチュエータによる微小流体輸送システムの創製』新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 平成18年度・産業技術研究助成(若手研究グラント) 平成18、19、20、21年度
▶『導電性高分子薄膜によるマイクロ力覚 / 触覚センサの創製』平成20年度 九州地域戦略産業イノベーション創出事業研究開発委託事業
▶『ソフトアクチュエータによる弾性管の創製』平成18年度産学連携戦略・次世代産業創出事業

● 過去の業績(論文・受賞歴など)

【論文】
渕脇正樹,田中和博,自由飛翔する蝶の後流の三次元渦構造,日本機械学会論文集,Vol. 82, No. 833 p. 15-00425, (2016)
Masaki Fuchiwaki, Jose Gabriel Martinez and Toribio Fernandez Otero, Polypyrrole Asymmetric Bilayer Artificial Muscle: Driven Reactions, Cooperative Actuation, and Osmotic Effects, Advanced Functional Materials, Vol. 25, 10, 1535-1541, (2015)
Masaki Fuchiwaki and Toribio Fernandez Otero, Polypyrrole–para-phenolsulfonic Acid/tape Artificial Muscle as a Tool to Clarify Biomimetic Driven Reactions and Ionic Exchanges, Journal of Materials Chemistry B, 2, pp. 1954-1965, (2014)
Toribio Fernandez Otero, Jose Gabriel Martinez, Masaki Fuchiwaki and Laura Valero, Structural Electrochemistry from Freestanding Polypyrrole Films: Full Hydrogen Inhibition from Aqueous Solutions, Advanced Functional Materials, Vol. 24, Issue 9, pp. 1265–1274, (2014)
Masaki Fuchiwaki, Taichi Kuroki, Kazuhiro Tanaka, Takahide Tabata, “Dynamic Behavior of the Vortex Ring Formed on a Butterfly Wing”, Experiments in Fluids, Vol. 54, pp. 1450-1462, (2013)
Tomoki Kurinami, Masaki Fuchiwaki, Kazuhiro Tanaka, Vortex Flow Developed in the Vicinity of a Wall of an Elastic Heaving Airfoils and its Wake Structure, Journal of Fluid Science and Technology, Special Issue on Jets, Wakes and Separated Flows, Vol. 6, No. 4, pp. 562-574, (2011)
Yoshitaka Naka, Masaki Fuchiwaki and Kazuhiro Tanaka, “A Micro Pump Driven by a Polypyrrole-based Conducting Polymer Soft Actuator”, Polymer International, Vol.59, No.3, pp.352, (2010)
Masaki Fuchiwaki, Tomoki Kurinami and Kazuhiro Tanaka, Detailed Wake Structure behind an Elastic Airfoil, Journal of Fluid Science and Technology, Vol.4, No.2, pp. 391–400, (2009)
Masaki Fuchiwaki, Kazuhiro Tanaka and Keiichi Kaneto, “Planate conducting polymer actuator based on polypyrrole and its application”, Sensors and Actuators A, 150, pp. 272–276, (2009)
渕脇正樹,田中和博,ヒービング運動する弾性翼後流の構造とその推進力,ながれ,28, pp. 303-308, (2009)

● 研究室ホームページ

http://tanakafutiwaki-lab.jp/