イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

准教授

林 朗弘

はやし あきひろ

所属
情報工学研究院
知的システム工学研究系
プロフィール
1998
博士(情報工学)
九州工業大学
1990
豊橋技術科学大学大学院
工学研究科博士後期課程材料システム工学専攻単位修得退学
1984
豊橋技術科学大学大学院
工学研究科修士課程生産システム工学専攻修了

工学が対象とするシステムは人工物です。では、そのようなシステムの「インテリジェンス」とは何なのでしょうか。状況に応じて臨機応変に適応できることに、人はしばしば知性を感じます。
予測できない振る舞いに自律性を見いだします。このような振る舞いができることを、潜在的な機能として内在する人工システムの仕組みと、それが技術的な問題解決にどのように役立つのかを見いだしたいと考えています。

より詳しい研究者情報へ

1.賢いロボットを産み出す力
2.ロボットの回転運動を解き明かす大きな力
3.いかめしいマルチエージェントが親しみやすくなる

● 研究テーマ

  • ❖①ロボットの知的コントロールに関する研究
  • ❖②ロボットの運動解析
  • ❖③分散アプリケーションシステム開発ツールの研究・開発

● 分野

①知能機械 ②知能機械 ③情報工学

● キーワード

①ロボテックス、マルチエージェント、運動学、動力学
②ロボテックス、運動学、四元数
③自律分散、分散処理、マルチエージェント、クラスター、ネットワーク

● 実施中の研究概要

①ロボットに有用な作業をさせるには、手の位置や向きに対する、手首や肘、肩といった関節の動きの関係を知らなければなりませんが、その関係を数学的に表す学問を運動学と言います。この研究テーマは、複雑な構造をもつ一般的なロボットについても容易にシステムを構成できる、賢い運動学計算モデルを開発するのが目的です。ここでいう賢い運動学計算モデルとは、人の指示に対して状況に応じた、柔軟で臨機応変の対応ができる、例えば時や場に応じて、関節の動きに対して手の位置を計算したり、手の位置から関節の動きを求めたりするソフトウェア・システムのことです。これまでの研究で、運動学計算モデルを構成するソフトウェア要素や、それらが連携する構造を明らかにしました。また、20以上の関節をもつロボットに適用して、この研究で行っている方法が有効であることを確認しました。
今後の研究としては、手の位置と関節の関係だけでなく、手を動かす速度と関節の角速度、力との関係などを取り入れ、より高度なロボットコントロールが実現できるようにするテーマに取り組んで行きます。

②人の腕などを模したロボットをマニピュレータといいます。マニピュレータの複数の関節を動かした場合の手先の動きは、それぞれの関節の回転運動を合成したものとなります。回転を表す計算には行列が使われます。回転の合成は回転行列の掛け算で得られます。しかし、合成された回転行列から、回転軸の方向や回転角度を見つけることは簡単ではなくロボットの運動の解析には不向きです。マニピュレータの関節が回転したときの手先の回転運動を数式的に見つけ出すのがこの研究の課題です。研究により、回転行列の他に、四元数と呼ばれる数を取り入れることによって回転運動を直感的に表せるだけでなく、3次元ベクトルの四則演算ができるようになります。2つの回転運動を合成した運動の回転軸と回転角は、合成前の回転軸と回転角の関数になります。四元数の代数を使って、この関数の具体的な形を求める問題に、現在取り組んでいます。マニピュレータなど機械の運動を表す簡潔な数学的な方法があれば、ロボットのコントロールも容易になり、ロボット技術の発展につながります。

③マルチエージェントシステムとは、自律的なサブシステム(エージェントと呼ぶ)の集まりが、相互に情報を交換しながら、総体として一つのシステムとして振る舞うシステムのことを言います。マルチエージェントシステムをいざ構築しようとすると、高度なソフトウエア開発技術が必要とされます。この研究では、マルチエージェントシステムや自律分散システムなど、分散型ソフトウエアシステムを、容易に構築するための開発ツールを研究・開発しています。開発しているツールは、C言語を使って、普通に書かれたプログラムを、ネットワーク上の複数のコンピュータで、分散的に実行できるようにします。通常、ネットワーク通信などの面倒な処理が必要になりますが、このツールを使えば、そのような面倒な処理を意識せずに、ネットワーク上の複数のコンピュータを、あたかも1台のコンピュータを使っているかのような意識で、開発及びメンテナンスをすることができます。従って高度なプログラム開発が容易になります。 このツールを使って、ロボットの運動学計算モデルのプログラム開発や、物理シミュレータを利用したロボットシミュレータの開発なども進めています。

● 今後進めたい研究

①取り組み中の研究をさらに深め、ロボット技術の発展に貢献する
②取り組み中の研究をさらに深め、ロボット技術の発展に貢献する
③取り組み中の研究をさらに深め、ロボット技術の発展に貢献する

● 特徴ある実験機器、設備

分散型ソフトウェア開発ツール