イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

准教授

小林 順

こばやし じゅん

所属
情報工学研究院
知的システム工学研究系
プロフィール
1971
生まれ
1999
博士(情報工学)
九州工業大学
1999
九州工業大学大学院
情報工学研究科博士後期課程
情報科学専攻修了
1996
九州工業大学大学院
情報工学研究科博士前期課程
情報科学専攻修了

人間と同等の作業が可能なロボットを実現することを目指して、また人間とは異なる方法で、人間以上の能力を実現することを目指して、研究に取り組み始めました。

受賞
▶ 『2007年度 SI 2007 優秀 講演賞 計測自動制御学会システムインテグレーション 部門』
▶ 『2005年度 Best Presentation Award』The Institute of Control、Automation and Systems Engineers

より詳しい研究者情報へ

ときにはやさしく、ときには力強いロボットを目指して

● 研究テーマ

  • ❖①可変剛性関節を有するロボットアームの実現
  • ❖②振動現象を利用して力を加えるロボットアームの実現

● 分野

① 制御工学
② 知能機械学・機械システム
③ 機械力学・制御

● キーワード

ロボット、制御、力学、センサー、組み込み

● 実施中の研究概要

❖研究タイトル①【一般向け】

人間は、作業内容に応じて、筋肉を緊張させたり緩めたりして、関節の硬さを変えることができます。そうすることで、衝撃力を吸収したり、柔軟な動作を実現したりすることができます。本研究では、人間の関節が備える、そのような特徴を持つ、ロボットアームを実現することを目指しています。

❖研究タイトル①【専門家向け】

人間の関節は、基本的には伸筋と屈筋の拮抗作用により回転します。そして、共収縮により関節の硬さを変えます。現在開発中のロボットアームは、非線形バネを介したワイヤ駆動により、人間の関節構造と同じような作りにして、人間のような可変剛性関節の実現を目指しています。

❖研究タイトル②【一般向け】

関節が柔らかなロボットアームは、その柔らかさをうまく利用してやると、効率的に大きな力を生み出すことができる可能性があります。「共振」という物理現象を利用するのです。たとえば、共振状態になってしまうと、それほど強くない風でも大きな橋を壊してしまう場合があります。本研究では、共振現象を積極的に利用して力を生み出すロボットアームを実現することを目指しています

❖研究タイトル②【専門家向け】

ロボットアームを共振状態にするためには、非線形振動子を用います。非線形振動子の引き込み特性を利用すれば、ロボットアームの振動状態に同期した信号を生成でき、その信号によりロボットアームを共振状態にすることができます。

● 今後進めたい研究

人間の筋骨格系と神経系を参考にした、人に優しいロボットシステムの開発

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
『人間のように関節の硬さを変更できる関節駆動モジュールの開発』財団法人 飯塚研究開発機構調査研究開発事業、(2008-2009)
(三ツ和金属株式会社、福岡県工業技術センター機械電子研究所との共同研究) 

● 研究室ホームページ

可変剛性関節駆動モジュールの概念図

可変剛性駆動モジュール1号機

草抜きロボットアームのシミュレーションモデル

草抜きロボットアームが振動現象を利用して発生 させた力(赤線は振動現象を利用しない場合に発生できる力の大きさ)