地球にやさしい情報素子を目指して
電子・電気材料工学
マイクロ・ナノデバイス
スピントロニクス
磁気工学
20世紀後半に始まった情報化社会の進展により世界中を行き交う情報量は爆発的に増加しています。今後数年間だけでも、国内で増加する情報を処理・記録するために必要な電力量は小型原子炉一基分に相当します。情報量は更に増加し続け、今後世界で必要となる電力量はさらに増大すると予想されています。石油資源の枯渇や地球温暖化抑制の為に、これら情報を処理・記録する電子デバイスやハードディスクドライブの省電力化技術の開発は重要な問題です。その新しい技術の有力候補としてスピントロニクスが知られています。スピントロニクスは1988年に金属人工格子における巨大磁気抵抗効果の発見を契機に発展した研究分野です。巨大磁気抵抗効果を見出したFert博士とGruenberg博士はノーベル物理学賞を受賞しました。近年では室温で巨大なトンネル磁気抵抗効果も発見され、ハードディスクドライブの磁気ヘッドととして実用化されています。基礎から応用までの幅広い研究が世界中で行われ、電子スピンの特長を活かした省電力素子の開発が進められています。当研究室では、ナノスケール磁性体の静的および動的特性を活かしてスピン流を生成し、その物理探究と共に新しいスピントロニクス素子の実現を目指しています。
スピントロニクスは基礎物理と応用が密接に関連しながら発展した研究分野です。現在、取り組んでいる研究は基礎的段階ですが、将来の革新的な高速かつ超省電力素子の創製に向けた研究を進めたいと考えています。
1. 強磁性半導体交換結合膜とこの交換結合膜
を用いた強磁性半導体素子 2007- 27441
2. 磁気光学素子 2007-272145
3. メモリセル、ならびに、磁気メモリ素子 特開2010-098259
4. 電流ースピン流変換素子 特願2010-191414
5. スピン注入源およびその製造方法 特願2010-197047