イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

福間 康裕

ふくま やすひろ

所属
情報工学研究院
物理情報工学研究系
プロフィール
1973 生まれ
2002 博士(工学)山口大学
    山口大学大学院
    理工学研究科
    物質工学専攻
    博士後期課程修了
1999 修士(工学)山口大学
    山口大学大学院
    理工学研究科
    電気電子工学専攻
    博士前期課程修了

学部生の頃は大して勉学に励まずに過ごしていましたが、研究室への配属後に研究の楽しさを教えて頂きました。本や論文等を読んで基礎を構築し、思考実験を重ねてそれを実証できれば誰も知らない知識を得ることができます(ほとんどは失敗作ですが・・・)。巨人の肩の上に立ち、遠い未来をみてみたいと考えています。

より詳しい研究者情報へ

地球にやさしい情報素子を目指して

● 研究テーマ

  • ❖スピン流を用いた機能性素子の開発

● 分野

電子・電気材料工学
マイクロ・ナノデバイス

● キーワード

スピントロニクス
磁気工学

● 実施中の研究概要

20世紀後半に始まった情報化社会の進展により世界中を行き交う情報量は爆発的に増加しています。今後数年間だけでも、国内で増加する情報を処理・記録するために必要な電力量は小型原子炉一基分に相当します。情報量は更に増加し続け、今後世界で必要となる電力量はさらに増大すると予想されています。石油資源の枯渇や地球温暖化抑制の為に、これら情報を処理・記録する電子デバイスやハードディスクドライブの省電力化技術の開発は重要な問題です。その新しい技術の有力候補としてスピントロニクスが知られています。スピントロニクスは1988年に金属人工格子における巨大磁気抵抗効果の発見を契機に発展した研究分野です。巨大磁気抵抗効果を見出したFert博士とGruenberg博士はノーベル物理学賞を受賞しました。近年では室温で巨大なトンネル磁気抵抗効果も発見され、ハードディスクドライブの磁気ヘッドととして実用化されています。基礎から応用までの幅広い研究が世界中で行われ、電子スピンの特長を活かした省電力素子の開発が進められています。当研究室では、ナノスケール磁性体の静的および動的特性を活かしてスピン流を生成し、その物理探究と共に新しいスピントロニクス素子の実現を目指しています。

● 今後進めたい研究

スピントロニクスは基礎物理と応用が密接に関連しながら発展した研究分野です。現在、取り組んでいる研究は基礎的段階ですが、将来の革新的な高速かつ超省電力素子の創製に向けた研究を進めたいと考えています。

● 特徴ある実験機器、設備

● 知的財産権(技術シーズ)

1. 強磁性半導体交換結合膜とこの交換結合膜
を用いた強磁性半導体素子 2007- 27441
2. 磁気光学素子 2007-272145
3. メモリセル、ならびに、磁気メモリ素子 特開2010-098259
4. 電流ースピン流変換素子 特願2010-191414
5. スピン注入源およびその製造方法 特願2010-197047

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

● 研究室ホームページ