イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

安田 敬

やすだ たかし

所属
情報工学研究院
物理情報工学研究系
プロフィール
1989
理学博士
九州大学
1989
九州大学大学院
理学研究科物理学専攻博士課程修了
1986
九州大学大学院
理学研究科物理学専攻修士課程修了

より詳しい研究者情報へ

見る角度によって大きく色が変わる粉体

● 研究テーマ

  • ❖酸化物半導体のエレクトロニクスへの応用研究

● 分野

工学-電気電子工学-ナノ材料、工学-電気電子工学-太陽電池

● キーワード

酸化物超伝導体のデバイス応用、色素増感太陽電池、DSCシステム

● 実施中の研究概要

【酸化物半導体のエレクトロニクスへの応用研究】
酸化物半導体には酸化チタン(TiO₂)、酸化亜鉛(ZnO)などがあり、"古くて新しい素材" と言われるように、早くから絶縁体、誘電体として使われてきました。最近では、これらをワイドギャップ半導体と見て、電子デバイス、特に光デバイスへの応用を目指した研究が盛んになってきました。これら酸化物薄膜の作製は、ナノ粉体やゾルを "塗って成膜" することが可能なため、コスト面でも大変優れていますし、他の無機物や有機物との複合化による特性の制御ができますので、その応用範囲はさらに広がっていきそうです。
こんな有望な酸化物ですが、当研究室では、色素増感(Dye-sensitized solar cell:DSC)を中心に研究を行っています。図(①、②)のように、色素に光が当ったとき高いエネルギーの電子が得られますが、この電子は、光合成では化学反応に使われます。これに対して、DSCではそのまま取り出せるよう工夫されていて、「光合成に学んだ太陽電池」と言えます。本研究室の専門分野は酸化物半導体ですので、DSCのいろいろな要素の中から、特にTiO₂と透明導電膜を主たるターゲットとして、以下の研究を行っています。
・成膜方法の開発
・結晶性とナノ構造の設計・制御・評価
・光学的および電気的特性の設計・制御・評価

● 今後進めたい研究

日々作る太陽電池の光電変換効率を上げる、という分かりやすく刺激的な目標とともに、太陽電池に捕われない、新しい機能性材料の開発も目指しています。

● 特徴ある実験機器、設備

太陽電池の電子物性(I-V特性、電子拡散係数・電子寿命・状態密度、量子効率)評価装置、擬似太陽光源、分光器

● 知的財産権(技術シーズ)

『酸化物半導体薄膜を積層した板状粒子及びその製造方法並びにそれを用いた色素増感太陽電池』
(特開 2009-178983)

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【受託研究】
『シ-ズ発掘試験 A 』
(独立行政法人 科学技術振興機構) (2009)(平成21年度)
ナノ多層構造を有する新規機能性顔料の開発と応用

● 研究室ホームページ