イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

准教授

永松 秀一

ながまつ しゅういち

所属
情報工学研究院
物理情報工学研究系
プロフィール
1976
生まれ
2004
博士(情報工学)
九州工業大学
2004
九州工業大学大学院
情報工学研究科博士後期課程情報システム専攻修了
2000
九州工業大学大学院
情報工学研究科博士前期課程情報システム専攻修了

シリコンなどの無機物からなる電子素子を、炭素が主成分の合成可能な有機物から創出することに興味を持ったことからです。

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有機半導体分子をきれいに並べて・使う!

● 研究テーマ

  • ❖有機エレクトロニクスに関する研究開発

● 分野

機能材料・デバイス、高分子・繊維材料、薄膜・表面界面特j性

● キーワード

有機エレクトロニクス(新しい有機半導体材料の創生、有機半導体分子配向制御、有機EL、有機トランジスタ、有機薄膜太陽電池)

● 実施中の研究概要

現在シリコンや化合物半導体などの硬い無機材料から作られている半導体デバイスを、炭素を主骨格とする柔らかい有機材料から作り出す研究開発を行っています。有機デバイスは薄い・軽量・柔軟・低製造コスト等の特徴を持ち、次世代の電子デバイスとして期待されています。シリコンなど無機半導体デバイスの製造には真空装置や高温プロセスなど複雑な工程を経る必要があります。しかしシリコンなどの無機材料とは異なり有機材料の多くは有機溶媒に溶かしインクにすることが可能であり、大気中で印刷するという簡単な工程で電子デバイスを製造できるという利点があります。また有機材料は軽く薄いだけでなく柔らかく曲げることも可能で、しかも落としても壊れないユニークな電子デバイスを実現することが可能です。
プラスチックなどに代表される有機材料は一般的に絶縁体として考えられてきましたが、その分子構造を設計することで半導体性を持つ『有機半導体』とすることが可能です。有機合成により全く新しい性質・機能を持つ有機半導体を自ら作り出し、実際に有機EL・有機薄膜太陽電池・有機トランジスタなどの有機デバイスを試作し性能評価を行い、高性能は有機デバイスの創製を目指しています。 
有機デバイスの高性能化にはいくつかのアプローチがありますが、有機半導体分子の『構造異方性』に着目し、分子をきれいに並べることで有機半導体の持つ性質・機能を最大限に引き出すことで高性能化を試みています。有機半導体分子には球状のもの・棒状のもの・円盤状のものなど多種多様な形状の分子が存在します。有機デバイスは、それらの個々の分子あるいはいくつかの種類の分子を集合体として薄膜化しデバイスに応用します。薄膜化の際に分子を無秩序に集合させるよりも、秩序だった整列配置で集合させることで、その有機半導体分子の性質・機能を薄膜として発現することができます。
有機デバイスの高性能化を①新しい有機半導体の創製、②新しいデバイス構造の確立、からだけでなく、③有機半導体分子の配向配列制御技術の開発・確立・原理解明から目指し日々研究を行っています。

● 今後進めたい研究

分子配向配列制御を行うと有機デバイスの高性能化だけでなく、分子固有の特性を生かした様々な機能付加が可能となります。電導度異方性や、光感能異方性を有するユニークな電子デバイスを創製します。また現在は分子配向配列制御により整列配置された有機半導体分子をマクロな薄膜として利用していますが、今後はミクロな単一結晶粒・単分子等のナノ領域での電子物性を解明し、有機“ナノ”エレクトロニクス分野への展開を考えています。

● 特徴ある実験機器、設備

【実験機器】
高分子超配向薄膜作製装置(摩擦転写装置)
有機EL特性評価装置一式(マルチチャネル分光器・輝度計・ソースメータ)

● 知的財産権(技術シーズ)

【特許出願】
『有機半導体材料および有機薄膜トランジスタ』、特願 2009- 077398 九州工業大学 森口哲次、永松秀一、高嶋授、岡内辰夫、溝口勝大、金藤敬一、早瀬修二
『有機半導体材料および有機薄膜トランジスタ』、特願 2009- 053759 九州工業大学 永松秀一、高嶋授、岡内辰夫、森口哲次、溝口勝大、金藤敬一、早瀬修二
【公開特許】
『ORGANIC FIELD EFFECT TRANSISTORS』、WO / 2009 / 157284 (PCT/JP2009/060237)、Kyushu Institute of Technology、NAGAMATSU Shuichi, TAKASHIMA Wataru, KANETO Keiichi.
『β相を有する高分子半導体化合物の薄膜の製造方法とβ相を有する薄膜』、特開 2009-206442、九州工業大学 永松秀一、高嶋授、金藤敬一
『偏光の発光特性を有する有機エレクトロルミネセンス素子およびその製造方法』、特開 2006-351823 株式会社クラレ、独立行政法人 産業技術総合研究所 岡本真人、藤澤克也、近松真之、三崎雅裕、永松秀一、谷垣宣孝、吉田郵司、八瀬清志
『有機トランジスタ』、特開 2006-295004 東洋インキ製造株式会社、独立行政法人 産業技術総合研究所 矢内宏幸、八瀬清志、吉田郵司、近松真之、永松秀一
『液晶性有機分子多層配向薄膜及びその製造方法』、特開 2006- 256283 独立行政法人 産業技術総合研究所 永松秀一、三崎雅裕、近松真之、吉田郵司、谷垣宣孝、八瀬清志
『電界効果型トランジスタ及びその製造方法』、特開 2006- 060169 独立行政法人 産業技術総合研究所 吉田郵司、近松真之、永松秀一、齊藤和弘、八瀬清志
『電界効果型トランジスタおよびその製造方法』、特開 2004- 356422 独立行政法人 産業技術総合研究所 吉田郵司、永松秀一、谷垣宣孝、八瀬清志
『配向共役系高分子とチタン酸化物との積層薄膜素子とそれを用いた偏光検出回路およびその製造方法』、特開 2003-098343 独立行政法人 産業技術総合研究所 谷垣宣孝、吉田郵司、八瀬清志、永松秀一

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
『高分子配向制御薄膜に関する研究開発』九州工業大学・産総研(光技術研究部門)・神戸大学 工学部
『有機トランジスタに関する研究開発』九州工業大学・産総研(光技術研究部門)
『有機薄膜太陽電池に関する研究開発』九州工業大学・産総研(太陽光発電センター)
【受託研究】
『湿式法による高効率高分子EL素子の開発』JSTシーズ発掘試験・H20年度 (2008)・200万円・代表
【科学研究費補助金】
『分子配向制御による有機TFTインバータ回路の低消費電力化』若手研究(B)・H19-H20年度 (2007-2008)・330万円・代表

● 研究室ホームページ

高分子超配向薄膜作製装置

ランダム(無秩序)配置状態の有機半導体

整列(秩序)配置状態の有機半導体