イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

助教

森本 雄祐

もりもと ゆうすけ

所属
情報工学研究院
物理情報工学研究系
プロフィール
1983 生まれ
2011 博士(理学) 大阪大学
2011 大阪大学大学院生命機能研究科生命機能専攻一貫性博士課程修了

子どもの頃から生き物が動いている姿を見るのが好きで、ずっと動いているものの研究を中心におこなっています。機械のように洗練された動きをすることもあれば、わけのわからない適当な動きをすることもある生物たちに魅了されています。

受賞
2017年 日本生物物理学会若手招待講演賞
2013年 井上研究奨励賞

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自分の目で生命現象を見る

● 研究テーマ

  • ❖真核生物のシグナル伝達に関する研究
  • ❖生体分子モーターのエネルギー変換機構に関する研究

● 分野

生物物理学、分子生物学、細胞生物学

● キーワード

蛍光顕微鏡、ライブイメージング、細胞運動、シグナル伝達、モータータンパク質、膜電位、細胞内pH

● 実施中の研究概要

細胞における電気化学ポテンシャル勾配は、細胞膜内外のイオン濃度差による化学ポテンシャル差と、膜電位による電気ポテンシャル差により形成されます。この電気化学ポテンシャルは、生命にとって必須の共通エネルギーとしてさまざまな生命機能に利用されています。一方、がん細胞や一部の疾患において、細胞内のイオン濃度などが正常な細胞とは異なっていることが知られており、このことが病気を引き起こす一因ではないかと考えられています。
実際の生きた細胞の中でイオンや膜電位がどのように働いているかをライブイメージング技術によって目で見ることができるようにすることにより、電気化学ポテンシャルの生命機能における役割を明確にしようとしています。

1.真核生物のシグナル伝達に関する研究
 研究には細胞性粘菌というモデル生物を用いています。細胞性粘菌は特徴的な生活環をもつ真核生物で、通常は単細胞アメーバとして生活していますが、餌が枯渇すると自身が産生するcAMPという物質をシグナルにして集まって多細胞体を形成し、最終的には柄と胞子からなる子実体になります。この生活環の中で見られる走化性運動や細胞分化などの生命現象において、電気化学ポテンシャルがどのように利用されているのかを研究しています。

2.生体分子モーターのエネルギー変換機構に関する研究
 バクテリアなどの原核生物がもつ生体分子モーターが、電気化学ポテンシャル勾配をどのように利用しているかについての研究も行なっています。

● 特徴ある実験機器、設備

全自動蛍光顕微鏡
蛍光分光光度計
プレートリーダー

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
・細胞性粘菌のシグナル伝達機構の研究(大阪大学大学院生命機能研究科 上田昌宏教授)
・バクテリアべん毛タンパク質輸送装置の研究(大阪大学大学院生命機能研究科 南野徹准教授)
・バクテリアべん毛モーターの研究(東北大学大学院工学研究科 中村修一助教)

● 過去の業績

【論文】
Hiraoka, K.D., Morimoto, Y.V., Inoue, Y., Fujii, T., Miyata, T., Makino, F., Minamino, T. & Namba, K. (2017) Straight and rigid flagellar hook made by insertion of the FlgG specific sequence into FlgE. Scientific Reports 7:76723

Morimoto, Y.V., Kami-ike, N., Miyata, T., Kawamoto, A., Kato, T., Namba, K. & Minamino, T. (2016) High-resolution pH imaging of living bacterial cell to detect local pH differences. mBio 7(6):e01911-16.

Minamino, T., Morimoto, Y.V., Hara, N., Aldridge, P.D., Namba, K. (2016) The bacterial flagellar type III export gate complex is a dual fuel engine that can use both H+ and Na+ for flagellar protein export. PLOS Pathog. 4;12(3): e1005495.

Bai, F., Morimoto, Y.V., Yoshimura, S.D.J., Hara, N., Kami-ike, N., Namba, K. & Minamino, T. (2014) Assembly dynamics and the roles of FliI ATPase of the bacterial flagellar export apparatus. Sci. Rep., 4, 6528.

Morimoto, Y.V., Ito, M., Hiraoka, K.D., Che, Y.-S., Bai, F., Kami-ike, N., Namba, K. & Minamino, T. (2014) Assembly and stoichiometry of FliF and FlhA in Salmonella flagellar basal body. Mol. Microbiol., 91, 1214-1226.