生命の動きをコンピュータで表現する
数物系科学、物理学、数理物理・物性基礎、統合領域、情報学、生体生命情報学、複合領域、ゲノム科学、システムゲノム科学
理論生物、複雑ネットワーク、計算生物、生物物理、非平衡・複雑系
生命体の示す機能(免疫・脳・学習・適応)は、一部工学的に応用されているものもありますが、基本的に多種多様な細胞や分子の大規模な自己組織化された集合体です。工学と異なり設計者は存在せず、長い進化の過程で獲得された結果です。そこで、未発見で工学的に応用できる原理やルールが、進化の過程に隠されていると考えられます。そこで、既知の知識や手法を統合し、生体の構成要素間の相互作用をネットワーク(グラフ)として捉えて、その機能・性質を複雑な自律分散情報処理システムとみたてて研究しています。この研究は、生物を計算機としてみる見方であり、既存の計算機とは異なる設計原理を提案できる可能性があります。
近年生命体の構成要素に対する理解は急速に進んでおり、この研究を遂行する環境は整いつつあります。従って、本研究は生命科学の応用分野の一つであり、幅広い様々な学問分野と関連している融合・統合的な分野でもあります。
Bio-Inspired computer、 biomimicry(注1)をキーワードにして、生物が持つ自律性、適応性、頑健性、自己修復性など既存のシステムと比較して機能的に優れた性質を持つ新規な情報通信システムの設計・通信プロトコルの設計・構築の基礎として、さらに実用化することです。