イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

山西 芳裕

やまにし よしひろ

所属
情報工学研究院
生命化学情報工学研究系
プロフィール
2005 博士(理学)京都大学
2005 京都大学大学院理学研究科博士課程修了
2001 岡山大学大学院自然科学研究科修士課程修了

学生時代にヒトゲノム計画に影響を受け、生命科学と情報科学の融合分野であるバイオインフォマティクスの研究を始めた。

受賞
【受賞】文部科学大臣表彰「若手科学者賞」(2014年)
【受賞】京都大学化学研究所「所長賞」奨励賞(2003年)

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人工知能とビッグデータで新薬や治療法を開発する

● 研究テーマ

  • ❖医薬ビッグデータから創薬標的分子や新薬候補化合物を自動的に予測する機械学習アルゴリズムの開発
  • ❖既存薬の新しい効能を発見し別の疾患に対する治療薬として再開発するドラッグリポジショニング
  • ❖多階層オミクスデータから様々な分子ネットワーク(代謝パスウェイやタンパク質間相互作用など)の予測

● 分野

生命・健康・医療情報学、創薬化学 、機械学習

● キーワード

バイオインフォマティクス、ケモインフォマティクス、創薬、医療、機械学習、人工知能、ビッグデータ

● 実施中の研究概要

  研究室の主な研究テーマは、生命医科学における様々な分子や分子間相互作用ネットワークの解析、疾患の多階層オミクスデータ解析、統計手法や機械学習アルゴリズムの開発など多岐に渡ります。近年は特に医療応用やAI創薬(AI基盤技術である機械学習を駆使した創薬)に力を入れており、創薬標的分子の探索、精密医療、化合物の毒性・副作用の予測、オフターゲット分子の予測、既存薬の適用拡大(ドラッグリポジショニング)に関する研究を行っています。
  ドラッグリポジショニングとは、既承認薬や過去に医薬品開発に失敗した化合物の新たな効能を発見し、別の疾患の治療薬として再開発する創薬戦略です。既存薬は、ヒトへの安全性や体内動態、製造工程などについての豊富な情報があるため、高速かつ低コスト、低リスクの医薬品開発が可能になります。例えば、バイアグラとして知られるシルデナフィルは、もともとは狭心症の治療薬として開発が進められていましたが、男性機能障害や肺高血圧症の薬として転用されています。これらの過去の成功例は偶然の発見に依存していたのに対し、我々は論理的かつ網羅的なドラッグリポジショニングを目指しています。これまでに多くの既存薬の新たな効能を見出し、有望な予測結果については共同研究などを通して実験的検証や臨床試験を重ねています。
  当研究室は、製薬企業やヘルスケア関連企業など多くの民間企業と共同研究しており、基礎研究だけでなく社会への還元も目標として、研究活動を展開しています。

● 今後進めたい研究

単一の化合物だけでなく、複数の化合物の組み合わせの相乗効果による生命システム制御や創薬の研究に挑戦したい。細胞運命転換を担う転写因子の機能を低分子化合物で模倣するダイレクトリプログラミング(既に分化した細胞を別の種類の細胞に直接変換する)を行うための情報技術を開発したい。

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【受託研究】科学技術振興機構・さきがけ『エコファーマによる高速かつ省エネ創薬を実現する情報技術の構築』(2015)
【受託研究】科学技術振興機構・AIP加速PRISM『創薬標的分子の確かしさを検証するツール物質の探索』(2018)

● 研究室ホームページ