イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

石橋 邦俊

いしばし くにとし

所属
情報工学研究院
教養教育院
プロフィール
1958
生まれ
1987
九州大学大学院
文学研究科独文学専攻
博士後期課程退学
1986
九州大学大学院
文学研究科独文学専攻
修士課程修了

ドイツ語圏の音楽を好きになれば、ドイツ文学への入口は、そこに見えていました。漫然と読んでいたヘッセを研究対象としたのは、この詩人が、西欧に生まれながら、常に東洋へ関心を持ち続けていたからだろうと思います。ひとつの対象から、ふたつの世界を学べるのです。ヘッセに関りながら、中国やインドの表象の世界について考えることができました。今、改めて見てみれば、非西欧世界への関心において、ヘッセは先駆者の一人であったとも思えます。ヘッセを通して、ヨーロッパの思想の流れの一端に触れることができたと思っています。

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北半球の端から端を眺めてみると

● 研究テーマ

  • ①20世紀のドイツ語圏における文学・文化の研究
  • ②異文化を背景とした外国語の教育

● 分野

①ドイツ文学、ドイツ文化史、比較文化
②外国語教育、日本人への日本語教育

● キーワード

①ヘッセ、比較文化、ドイツ語圏
②論理的思考、表現力、文化情報

● 実施中の研究概要

① 研究は、主として、20世紀のドイツ作家、ヘルマン・ヘッセを中心に彼を取り巻いてきた時代環境を勘案しつつ、作家の東洋思想(インド、中国)の受容の解明に向けられて来ました。とりわけ中国思想に関しては、ヘッセが実際に読んでいたドイツ語訳文献を検討する事で、ヘッセ独自の受容姿勢とその東洋観の形成、さらに、作品への昇華過程を具体的に解明する手掛りを提示する事ができました。

② 本学部で関わる教育分野は、主に「新修外国語」と「日本人学生のための日本語」の2分野であると考えています。「新修外国語」の分野については、従来の新修外国語科目(必修)に代わり、ドイツ、フランス、中国の3言語・文化圏への導入ならびに国際的知見の拡大を目的としての教育を行っています。「日本人学生のための日本語」については、「日本語表現技法」、「日本語コミニュケーション」において、個々の文章表現の適否を基準としながらも、日本語による文章の読み取りと表現の基本にある、考え方の基本構築を目的として、必要に応じ形態を変えながら実施しております。

● 今後進めたい研究

① 今後は、言語芸術家としてのヘッセに着目し、より詳細に作家研究を継続したいと考えます。その際、吉本隆明を始めとする、日本の文芸理論を参照し、ヘッセの文学(特に詩作品)の言語芸術作品としての特徴を解明したいと考えています。
更に、従来、もっぱら文学の領域にとどめてきた研究の領域を、音楽・美術・映画などへ拡充したいと思っています。
② いずれの授業においても、教材は毎年度すべて自分で作成し、受講生の反応を見ながら授業方法にも工夫を加えていますが、今後、特に「日本語表現技法」において、単なる文章表現のテクニックと見える事柄が、その深部において各人の人間的能力の発見・開発にも繋がる事を受講生に実感させる様に心掛けて行きたいと考えます

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
▶ドイツ語・日本語の教育コンセプトの研究 1998-1999(ミュンヘン大学)
【論文】
▶ヘッセ『1993年夏の詩』-解釈の試み- 九州工業大学情報工学部紀要第9号pp.63-118
など全19件
【著書】
▶『ニュルンベルグの旅』-都市を行くヘッセ- 1999年5月 毎日新聞社
など全3編(共著を含む)
【翻訳】
▶ヘッセ『ニュルンベルク旅行記』 九州工業大学情報工学部紀要
第21号 pp.65-112など全8編