イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

後藤 万里子

ごとう まりこ

所属
情報工学研究院
教養教育院
プロフィール
1959
生まれ
2008
博士(文学)
九州大学
1986
九州大学大学院
文学研究科博士後期課程
(英語学・英文学専攻)退学
1985
九州大学大学院
文学研究科修士課程英語学・英文学専攻修了

日本の英語教育を改革し、日本人が世界に貢献でき、世界と平和共存できるようになるための教育システムを創りたいと考えています。

より詳しい研究者情報へ

言葉の仕組みの解明は人間のものの見方の解明

● 研究テーマ

  • ❖英語の進行形と単純形の使い分けに関する歴史社会認知言語学的考察
  • ❖英語の現在単純形の形態素の意味機能
  • ❖英語の動名詞・不定詞の意味機能と使い分け
  • ❖英語の-ing 形の意味機能:現在分詞・形容詞・動名詞・名詞

● 分野

①英語学
②言語学
③歴史言語学

● キーワード

時制とアスペクト
日本人には理解しにくい英語の物事の認識の仕方や仕組みの根本英語でものを考えるときの世界の切り分け方と英文法の仕組み

● 実施中の研究概要

言葉の仕組みに関する「何故」を追求し、解き明かそうとする認知言語学のパラダイムに、歴史言語学や社会言語学の知見や視野を取り入れた複合的なパースペクティブから言語現象に取り組んできました。
認知言語学の面からは、これほど、例えば英語のThe train leaves tomorrowや、The WWII ends in 1945は明日や過去のことなのに、何故現在形なのか、日本語では明日のことなのに何故「明日来たら、」などと「た」を使うのかといったことに関して、日英語の時制現象を包括的に支配する原理を解明してきました。
昨今は、現在の英語の動名詞や現在分詞のメカニズムや意味機能の輪郭と制約を解明するため、これらの構文が辿ってきた歴史や社会における使われ方を研究しています。
現在グローバルな言語として使われる英語は、文字文化としては、5世紀までは碑文程度だったものが、ラテン語やフランス語から語彙を取り入れ、北欧語やケルト系言語と接触を経た歴史が、DNAのように、この言語が促すものの見方や文法的仕組みの特性の中に刻まれています。日本語に加えて英語を使うということは、日本語とはまったく異なる認知構造を背景に持つ、英語という言語文化の見方を自分の中に取り入れるということでもあります。英語を理解しようとする世界の人々に役に立ちたいと考えています。 

● 今後進めたい研究

日本人の英語習得を困難にしている、様々なハードルの原因を探り、一つ一つを解決していくことです。
日本人が外国語学習を不得手とする理由は様々ありますが、その一つに日本語が、世界の言語の中でも非常に特異だということがあります。一方、英語は現在世界中でもっとも研究の進んだ言語であるにも関わらず、非常に基本的な部分ですらきちんとは解明されていません。英文法書に、多くの人々が辟易するのはそのせいでもあります。日本人が解るように英語を解明できれば、世界中の人にとって、理解が進み、習得しやすい言語となります。

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

『単語から文へ 組み立てる英文法』 出版社 桐原書店(2008)
(部分的な助言を行っています)