科学の叡智を人類の幸福に繋げることが、知識基盤社会における大学の使命です。資源、環境、エネルギー、生物多様性など、地球を取り巻く２１世紀諸課題の解決が求められています。世界中の人々が満足できる社会を常に問いかけ、自然と調和した社会の形成することを、大学人は強く意識しなければなりません。
大学が培ってきた知的資源を社会に還元することが工学の本質です。わが国で産学官連携の必要性が謳われて十年以上が経過し、産学官連携や知的財産活動の指標は着実に改善されました。九州工業大学は、産学官連携を積極的に推進し、社会的な評価指数の向上に努めてきました。 工学の本質を社会に還元するには、大学の知的資源を社会に公開し、産学官民の連携をさらに強化しなければなりません。その第一歩は、大学の研究活動を分かりやすく情報公開することです。九州工業大学では、平成２１年度に文部科学省の支援により、第三者により研究者の活動を分かりやすくするデータベースを作成しました。
九州工業大学は先端的な研究を通じて、社会に貢献することを目指しています。この研究情報が活用され、産業の発展や世界的な課題の解決に繋がることを期待しています。

九州工業大学 学長　松永守央