イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

大屋 勝敬

おおや まさひろ

所属
工学研究院
機械知能工学研究系
プロフィール
1961
生まれ
1990
工学博士
広島大学大学院
1990
広島大学大学院大学院工学研究科博士課程(後期)設計工学専攻
1988
広島大学大学院大学院工学研究科博士課程(後期)設計工学専攻単位修得退学
受賞
日本神経回路学会論文賞
(1996)

より詳しい研究者情報へ

危険な振動を止める技術を開発する

● 研究テーマ

  • ❖車両の乗り心地改善制御法の開発
  • ❖車両の操縦安定化技術の開発
  • ❖移動ロボットの車体振動制御法の開発

● 分野

機械力学、制御工学

● キーワード

移動ロボット、 マニピュレータ、 アクティブサスペンション、自動車の制御、ロボットの制御

● 実施中の研究概要

制御理論の開発として、どんなものでも、どんなに環境が変化しても、思い通りに対象を動かすことができる適応制御理論の開発をしています。

❖ 車両の乗り心地改善制御法の開発

通常は車両の一か所だけで乗り心地が最良となります。この場所を移動するには、アクティブサスペンション制御用のコントローラーを再設計する必要がありますが、そのためには膨大な時間を必要とします。この問題を解決するため、設計パラメーターの値を設定するだけで乗り心地が最良としたい場を簡単に移動させることのできる制御手法を開発しました。

❖ 車両の操縦安定化技術の開発

コーナーを走行中に自動車が滑りやすい砂の上や油の上を走行した場合、操縦者には突然異常な横滑り振動が発生したように感じられます。そのような自動車の動きに遭遇して、もし操縦者が不慣れな場合、大きな事故に発展する恐れがあります。このような事故を防ぐため、まず、理想的な動きを実現できる理想車両モデルを開発し、実際の自動車の動きを追従させるロバスト(注1)軌道追従制御法も開発しました。
(注1)※ロバスト(Robust)とは、本来は「頑健な」という意味だが、生産管理などでは、プロセスの変動があっても、その影響を受けずに、欠陥やシステム停止が生じないプロセスのことをいう。制御では、外乱が加わっても、システムが本来の安定した制御を持続できる能力のこと。

❖ 移動ロボットの車体振動制御法の開発

災害地などの人間が容易に入り込めない場所において、活躍する移動ロボットにおいては、搭載したカメラ映像が振動することにより遠隔地で操作しているオペレータの疲労が極度に悪化するという問題があります。また、車体振動により、車体に搭載した精密機器に損傷が生じる危険性もあります。
この振動問題を解決する振動制御法を開発しました。

● 今後進めたい研究

大型車両のローリング制御法の開発
毎年のように大型車両の転倒事故がニュースに流れています。車両がコーナーを曲がる際に、必要以上のハンドル操作が加わると、荷物部分に大きなローリング振動が生じることが、転倒事故の一つの原因であるものと考えられます。そこで、今までに開発してきた制御手法などを応用し、荷物部分のローリング振動を抑え込むことができる制振技術の開発を行うことにより、転倒事故減少に寄与できるものと考えています。

● 特徴ある実験機器、設備

階段登り降りロボット

● 知的財産権(技術シーズ)

『咀嚼回数検出装置』 (特許3619835号(2004))

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【受託研究】
配管検査用センサシステムの開発(2007)
マルチ自走式配管内遠隔検査補修ロボットシステム開発(2005-2008)

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ 工学部ホームページ

❖ より詳しい研究者情報

ローリング制御法の模式図

階段登り降りロボット