イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

准教授

日比野 誠

ひびの まこと

所属
工学研究院
建設社会工学研究系
プロフィール
1971
生まれ
1999
博士(工学)
東京大学大学院
1999
東京大学大学院
大学院工学系
研究科博士課程
社会基盤工学専攻修了
1996
九州工業大学大学院
大学院工学研究科
博士前期課程
設計生産工学専攻修了

電気化学的脱塩工法による、補修ガイドラインを作成する際に、脱塩工法を適用した効果を評価、検証する方法が必要となり、本研究を開始することになりました。

より詳しい研究者情報へ

電池作用で鉄筋の腐食を止める

● 研究テーマ

  • ❖電気化学的脱塩工法の防食効果の検討

● 分野

土木材料、施工、建設マネジメント

● キーワード

建設材料学

● 実施中の研究概要

構造物の老朽化を防ぐためにコンクリート中の鉄筋の防食技術が必要とされています。本研究は鉄筋の腐食の原因であるコンクリート中に浸透した塩化物イオンを除去する電気化学的脱塩工法について、効果の研究を行っています。
電気化学的脱塩工法は、コンクリート中の鋼材とコンクリート表面に設置した仮設陽極材の間に直流電流を通電し、電気泳動(注1)によってコンクリート中の塩化物イオンをコンクリート外に抽出するものです。1A/m2の電流を約8週間通電するのが一般的ですが、この期間コンクリート中の鋼材は卑(陰極)に分極されているため腐食に対する抵抗性が大きくなっています。そこで、本研究では、脱塩期間中に卑に分極された効果が脱塩施工後にどのように発揮され、またどの程度持続するのかを調べ、脱塩工法の防食効果を検討するものです。
本研究の特徴は,脱塩を行った供試体と行っていない供試体とでマクロセル(電池作用)を形成し、脱塩の効果について、アノード(陽極)とカソード(陰極)反応に対する抵抗性(挙動)をそれぞれ独立して評価することです。

● 今後進めたい研究

マクロセルを応用して鋼材の腐食を評価する場合、腐食の進行するアノードだけでなく対極となるカソード反応を把握する必要があります。そこで、今後は塩化物イオンがカソード反応に及ぼす影響を検討することを予定しています。

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究 (独立行政法人土木研究所)】
塩害を受けたコンクリート構造物の脱塩工法 (2006)

● 研究室ホームページ

電気化学的脱塩工法の原理

マクロセルによる防食効果の評価

腐食電流の測定

省資源開発実験室

万能試験機MAX200t

圧縮試験機MAX20t