イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

白土 竜一

しらつち りゅういち

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
1996 
博士(工学) :九州工業大学
1986
修士(工学):九州工業大学 工学研究科 電気工学(修士) 修了

大学入試資料に「太陽電池」とありそれだけで「電気」を志望しました。学部学生時代から太陽電池に没頭し2つの論文を書き大学院に進学しました。一度は企業の研究所に就職しましたがここでも太陽電池関連の仕事でした。恩師より博士号をとらないかというお誘いがあり大学へ戻り太陽電池の研究を続けています。

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もっと安く、もっと効率的に・・・
色素増感太陽電池の開発

● 研究テーマ

  • 高効率な色素増感太陽電池の開発

● 分野

電子・電気材料工学、物理化学

● キーワード

色素増感太陽電池、透明導電膜,ナノ材料

● 実施中の研究概要

私は太陽電池の研究者です。次世代の太陽電池として期待されている色素増感太陽電池(図-1)の材料である酸化チタンと酸化スズの界面の研究をしています。酸化スズはバンドギャップが広く可視領域の光を透過するので透明です。この材料にフッ素や塩素を微量加えると透明なままで導電性を示す不思議な材料です。この性質は100年も前から知られていて、そんな古い材料が現在では薄膜太陽電池の光を取り入れる窓と光生成された電気を集めるために使われています。
同様な性質を示すインジウムは希少金属であり、その代替材料の開発が急がれており、酸化スズは候補の1つです。
酸化スズの結晶の形や不純物を調整して酸化チタンとの間で様々な界面を形成しています。(図-2)この研究により界面の色素増感太陽電池効率への影響を明らかにし、色素増感に適した透明伝導膜に関する特許を多く出願しています。
太陽電池産業は日本の主要産業になる可能性を秘めており薄膜系太陽電池メーカーは生産体制を拡大しているようです。しかし、設備投資額が大きくリスクも高い事業のようです。色素増感太陽電池は真空設備を必要としないので設備投資をかなり抑えることができますが、構造上、電解液を使用するのでシール技術、メンテナンスシステム、透明導電膜付きガラスを安く作る技術開発、もしくはまったく使わない太陽電池の製作技術開発をどうするのかなど解決しなければならない問題がたくさんあります。色素増感太陽電池の大量生産設備は未だありませんが、大学と企業が協力して太陽光発電事業を立ち上げることが必要だと思います。"

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

受託研究、色素増感太陽電池半導体電極の評価技術の開発と評価(2008.7)

● 研究室ホームページ