イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

准教授

北村 貴典

きたむら たかのり

所属
工学研究院
物質工学研究系
プロフィール
2004
博士(工学)
九州工業大学大学院
1995
大阪大学大学院
大学院工学研究科博士前期課程生産加工工学専攻
修了

昨今の、省エネルギーが叫ばれる中、既存のスポット溶接継手を脱却して、高剛性化、省エネルギー化を実現できる要素技術として、レーザを利用した、新たな溶接継手を提案できないかと考え、本研究テーマに取り組むこととなりました。

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自動車・家電製品の軽量化、高剛性化を可能とするレーザ溶接方法

● 研究テーマ

  • ❖レーザ溶接重ね継手の強度に関する研究

● 分野

材料加工・処理

● キーワード

レーザ溶接、重ね継手、継手強度、数値解析

● 実施中の研究概要

レーザ溶接機を用いて、重ね溶接を行う場合、1本の直線状の溶接線では、母材並みの継手強度を得ることは困難ですが、溶接線を波型にすれば、継手部の破断強度が強くなることに着目し、波状溶接線のピッチと振幅を、どの程度にすれば母材並みの破断強度が、得られるかを実験と数値解析により明らかにしました。
この技術を応用して、自動車や家電製品の製造工程で、レーザで重ね溶接を行う場合の溶接長さを必要以上に長くして、コストアップするのを抑制できます。

● 今後進めたい研究

自動車や家電製品分野のメーカーへの技術支援

● 知的財産権(技術シーズ)

薄板の重ね溶接を行う場合、スポット溶接では重ね部分の上下 (または左右)に電極を配置しなければならないため、重ね部の両側にある程度の空間が必要となります。しかし、レーザ溶接であれば、片側からのトーチのみで溶接が可能で、裏側の制約がなくなります。
現在、レーザ溶接による、重ね継手に関する研究をしていますが、その強度は、母材部の破断強度と、同程度にできることが分かりました。
この溶接方法を、適用することにより、自動車や家電製品の製造過程で、狭隘部の片面溶接が可能となります。

● 研究室ホームページ