イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

准教授

花沢 明俊

はなざわ あきとし

所属
工学研究院
基礎科学研究系
プロフィール
1967
生まれ
1995
博士(理学)
京都大学
1995
京都大学大学院
理学研究科霊長類学専攻
博士後期課程修了
1992
京都大学大学院
理学研究科霊長類学専攻
修士課程修了

脳の中で起こっている現象が、新しい情報処理の手法として活用できれば、技術開発と脳研究の両方に意味があると考えて、人間の視覚の仕組みを画像処理に応用する研究を始めました。
また、ひとひとりの持つ脳のすごさや、ものづくりの楽しさを子供たちに知ってもらうために、出前講義に力を入れています。

より詳しい研究者情報へ

脳の仕組みを活かした画像処理技術

● 研究テーマ

  • ❖視覚情報の処理に関わる神経システムの理解と画像処理技術への応用

● 分野

知覚情報処理・知能ロボティクス(パターン認識、画像情報処理、コンピュータービジョン)、神経・筋肉生理学、神経科学一般

● キーワード

画像処理、視覚、並列計算、GPU、知能ロボティクス

● 実施中の研究概要

いろいろな図形や模様がどのように見えるかということを、実験心理学の手法を使って詳しく調べることにより、視覚のために脳がどのような計算をしているか知ることができます。
また、何かを見たときに、脳内の神経細胞がどのような応答をするかを調べると、その計算について直接的に調べることができます。
顔や身のまわりの立体構造の認識など、今のところ巨大なコンピュータでも真似できない複雑な脳の視覚機能について、明らかにすることを目的に研究しています。
そして、これらの視覚研究の知見をもとに、ロボットの視覚や、自動車に搭載する視覚アシストシステムに利用できる、脳型画像処理アルゴリズムを開発しています。
GPUを用いた高速並列画像処理システム開発では、リアルタイムで稼働する画像処理技術を開発するとともに、人間の視覚システムをリアルタイムで再現・検証できるヒューマン・ビジョン・シミュレータ開発を行っています。
脳科学の成果を工学的応用によって社会還元するとともに、脳をつくる「構成的脳研究」によって、心理学・生理学に対して、どのような研究が必要かをフィードバックし、脳科学をさらに発展させます。

● 今後進めたい研究

ロボットの視覚機能(環境や物体を認識する機能)を向上させ、災害復旧、介護支援、交通安全等に寄与する。

● 特徴ある実験機器、設備

マルチGPU(Graphics Processing Unit、グラフィック・プロセッシング・ユニット:3次元グラフィックスの表示に必要な計算処理を行う半導体チップ)搭載並列画像処理演算用PC
複数台のGPUを接続して、並列に画像処理演算が可能なコンピュータ

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

▶NTT環境研究所との共同研究(2008)
崖崩れの前兆現象を監視カメラで捉え、画像処理により危険個所を絞り込み、警報を発する仕組みの研究

● 研究室ホームページ

光トポグラフィー装置を用いた、脳機能解析実験

●(公財)北九州産業学術推進機構研究者情報ページ

http://fais.ksrp.or.jp/05kenkyusha/srchresult.asp?ID=a-hanazawa01