イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

生命体工学研究科

教授

井上 創造

いのうえ そうぞう

所属
生命体工学研究科
人間知能システム工学専攻
プロフィール
1974
生まれ
2002
博士(工学)
九州大学
2002
九州大学大学院
大学院システム情報科学研究科情報工学専攻博士後期課程修了
九州大学大学院
1999
大学院システム情報科学研究科情報工学専攻修士課程修了

データベース管理システムおよび、センサ情報システムの医療応用、個人情報保護に興味を持っています。

受賞
・活動功労賞:マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム(2018年07月06日)

・優秀論文賞 「近接センサと医療データを用いた看護師と患者の近未来予測と効率化について」:情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究報告(2016年08月04日)

・山下記念研究賞 「家庭内行動センシングにおける機械学習データの家庭間転移について」:情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究報告(2016年07月29日)

・ヤングリサーチャ賞 「マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2003)」(2003年06月01日)

社会応用のための人間環境センシング

● 研究テーマ

  • ❖社会応用のための人間環境センシング

● 分野

情報通信 / 計算機システム、情報通信 / データベース、情報通信 / 知覚情報処理

● キーワード

Web/ユビキタスコンピューティング、人間行動センシング、センサ予防医療、データベース

● 実施中の研究概要

研究の内容:「いつでもどこでもコンピュータ」といわれるユビキタス情報システムを、Webが浸透した現状をふまえながら基礎と応用の両面からの研究。
私のこれまでの研究は、応用に潜在する問題を発見し、学問として扱えるようにモデル化をし、解決するというスタイルで取り組んできました。これまでのテーマをいくつか紹介します。
① 『ICカードシステムの研究開発』
プライバシと利便性のバランスの実現。ICカード認証システムを開発し、九州大学の新しい学生証・職員証として採用されました。
② 『ICタグのプライバシと信頼性』
ICタグ、つまりRFID(Radio Identification ID)は、IDを継続的に漏洩することによるプライバシの問題が残りますが、私たちはこの問題をリンク不能性という概念としてモデル化をしました。また、リンク不能性を保つID識別がかかっていましたが、これを理論的に削減する方法を考案しました。またICタグは、読み取りミスに対する信頼性が低いことを発見し、その信頼性をシステム全体で保全する方法を考案し、実際の機器を使って実験し現実性を確かめました。
③ 『救急トリアージにおけるICタグの活用』
大規模な負傷者が出る救急活動では、負傷者の情報を集めるのに問題がありますが、私たちはICタグを用いて情報を収集するシステムの実証実験を200人規模で行い、情報収集と負傷者の搬送時間が従来に比べて約半分に短縮できました。
④ 『SNSを用いた研究支援システム』
図書館はこれまで検索機能を提供することが使命でしたが、Webでの利用が増えてくると多様で柔軟な機能が求められてきます。このためにSNS(Social Networking Service)を用いて柔軟に研究者グループの支援を行えるシステムを開発し、図書館での運用に至りました。
〈現在、特に力を入れている研究テーマ〉は以下の物です。
『予防医療データマイニングのためのセンサネットワーク』
生活習慣病を予防し、医療費を圧縮するために特定健康診断が行われていますが、そのために人々および医療従事者にかかる労力は甚大です。また、得られるデータを詳細に解析する準備が不足しています。私たちはこれまでに、生体センサネットワークを実際に100人の被験者に2週間ほどつけてもらい、生活習慣の自動記録による労力削減と、データ解析を同時に実現し、この中で40種類ほどの行動を自動判別するアルゴリズムを開発しました。

● 今後進めたい研究

今後も、これまでのように基礎理論を重視した応用研究を貫いていきたいと思います。具体的には、Webの世界と、センサネットワークなどの現実世界の両方から得られるデータをもとに新しい知識を作り出していくシステムの基礎理論を確立すると共にシステムを作り上げ、他分野への応用を試みることで新しい学問分野を切り開くことを目指します。
考えられる応用分野としては、医療や農業、経済学をはじめとする社会科学の分野ですが考えられます。

● 知的財産権(技術シーズ)

▶「ラベル収集装置、ラベル収集方法及びラベル収集プログラム」
特願2018-033655 井上創造
▶「ラベル付与装置、ラベル付与方法、及びプログラム」
特願2018000806 井上創造
▶「物品管理システムと物品管理方法」
特願2003-270851 井上 創造,安浦寛人,萩原大輔
▶「RFIDタグと監視基地局、タグ管理サーバ、ネームサーバ、物品探索装置、及びRFIDタグ監視システム」
特願2002-259496 井上創造,安浦寛人
▶「他サービス環境でのIDデバイスのリンク不能性を守るID管理装置と方法」
特願2006-246269 井上 創造,安浦寛人,浜崎陽一郎,納富貞嘉,野原康伸,馬場謙介
▶「物理的な鍵の性格を有し安全かつ柔軟な管理可能なソフトウェア鍵とその発行管理システム」
特願2006-79402 納富貞嘉,馬場謙介,安浦寛人,石田浩二,井上 創造,浜崎陽一郎

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
▶「脳卒中高リスク群を抽出する革新的な臨床診断意思決定システムの開発に関する研究」 2018年04月 - 2019年03月
▶「機械学習を実社会で活用するための手法の研究」 2017年11月 - 2019年03月
▶「IoT技術およびテキスト解析技術の統合利用による介護サービス現場の課題解決」 2016年12月 - 2018年03月
▶「介護者の行動センシング技術を用いた介護業務の稼働分析と業務改善への適用」 2016年08月 - 2017年03月
▶「行動センシング・システムに関する研究」 2016年04月 - 2017年03月
▶「建物内における行動認識とその活用について」 2013年10月 - 2014年03月
▶「音声判定を行うスマートフォンアプリケーションの開発」 2012年07月 - 2012年12月

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ より詳しい研究者情報