特任教授
ふくもと ゆきひろ
家電メーカに30年以上勤務しておりましたが、そこでディジタル機器(TV、携帯電話など)の回路設計を担当していました。高性能化のために、先端回路設計技術を取り入れようとしたのが、担当研究分野に入るきっかけです。
IoT社会を支える、通信・回路システム設計技術の開発
電子デバイス・電子機器、通信・ネットワーク工学
IoT、EMC(環境電磁工学)
パワーエレクトロニクスの発展や無線有線を問わず通信環境の拡大に伴って、様々な電磁環境で正しく通信を行う必要性が高まっています。 そんな中、EMCとは電磁的両立性、つまり電子機器が外部へ不要な電磁ノイズを放射せず、外部からの電磁ノイズに影響を受けずに動作することをいいます。つまり、パワーエレクトロニクス機器に限らず様々な電子機器が出す電磁ノイズを正しく評価し、それらの電磁ノイズ下であっても低遅延高信頼性の通信を実現する技術であるといえます。
当研究室では、EMCをキーワードに以下のような研究を行っています。
高速電力線通信とは、建物内に配線された電力線を使って通信する方式です。 新規に通信線を敷設することなく既設の電力網を利用できるため安価に通信網を構築でき、一般家屋や工場内での機器のIoT化に貢献しています。
本研究室では、PLCに関連して、
・スケールモデルを用いた放射電磁界強度推定
・インフラ点検用ロボットの通信方法改善
を行っています。
自動運転技術が注目される中、車載のセンサーやカメラなどの情報を集約するための車載通信の重要性が高まっています。 一方で、EV/HEVをはじめとする電気自動車の普及により、たくさんのパワーエレクトロニクス機器が自動車に設置されるようになっています。 パワーエレクトロニクス機器の動作時に発生する電磁妨害波により車載通信が阻害されることはあってはなりません。 安全性を確保するためには、強い電磁妨害波の環境でも信頼性の高い通信を保証する必要が有ります。
そこで、本研究室では、
・完全自動運転のための通信線の性能評価
について検討しています。
高速通信のためにEthernetをはじめUSB4.0など複数の通信線を用いて行う通信が多く用いられています。 それらの通信ケーブルに通信には不要な電流(コモンモード電流)が流れることで外部への電磁妨害波を発生させ、他の通信機器へ悪影響を及ぼします。 また、束ねられた通信線は互いに結合し、信号品質の劣化も招きます。
本研究室では、多導体伝送線路に関して、
・電磁波ノイズ発生箇所を特定できる装置
・従来比2倍の情報を送ることができる新しい信号伝送方式
について開発しています。
・電波暗室
・電磁界シミュレータ