イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

各センター等

助教

中山 大輔

なかやま だいすけ

所属
各センター等
IoTネットワークイノベーション実証研究センター
プロフィール
2023
博士(工学)
九州工業大学大学院
2023
九州工業大学
大学院工学府工学専攻
博士後期課程修了
2020
九州工業大学
大学院工学府工学専攻
修士課程修了

中学生のころ「はやぶさ」が地球に帰還する様子を追いかけていました。一度遠くに行った宇宙機が正確に帰ってくる様子に感銘を受け、宇宙に関わる仕事をしたいと思っていました。九工大で人工衛星の開発・運用に携わるうちに、人工衛星は超長距離通信こそが肝だと考えるようになり、人工衛星の通信の研究に進みました。

深海から深宇宙まで、あらゆるところで通信ができるようにする

● 研究テーマ

  • ❖ 超小型人工衛星の通信
  • ❖ 極限環境やリソースの限られた環境で使用するアンテナ
  • ❖ 電子機器のノイズ耐性とノイズ放射抑制

● 分野

航空宇宙工学関連、船舶海洋工学関連、通信工学関連

● キーワード

アンテナ, CubeSat, ROV, PLC, EMC

● 実施中の研究概要

近年、CubeSatなど超小型人工衛星の開発が盛んにおこなわれています。超小型人工衛星は開発・打ち上げコストが低く、短期間で開発が終了するため、従来の国が中心の宇宙開発に民間や大学も参入することができるようになりました。しかしながら、小型になったとしても通信距離などは大きくは変わらないため、人工衛星から送信された電波は大きく減衰し、超微弱な信号になって地上に届きます。
超小型人工衛星はそのリソースが限られているため、いかに効率よく電波を発射するかが重要になってきます。ここでの効率よくは「構造的に小さいこと」「少ない電力でできる限り多くの電波を出すこと」など多様な方向性があります。
そのうえで、私は近年特に活発に開発されているCubeSatに適したアンテナは何かを追求しています。アンテナは通信に使用する周波数や波長によってその大きさがほぼ決まります。そのため、小型化を進めるには限界があります。そこで、人工衛星に不可欠な発電用の太陽電池や、人工衛星の機械構造をうまくアンテナと統合することで実質的な小型化ができないかを模索しています。この研究によって、超小型人工衛星でも従来よりも大型のアンテナを搭載、もしくは従来よりも多くの太陽電池を搭載できるため、多種多様なミッションを行うことができるようになり、超小型人工衛星の用途が大きく広がるものと考えています。

<透明パッチアンテナ>

<1U CubeSatとUHFアンテナ>

<CubeSat搭載通信機とアンテナ>

● 今後進めたい研究

太陽電池統合型アンテナ
CubeSatへのメタマテリアルアンテナの応用

● 特徴ある実験機器、設備

電波暗室
人工衛星運用用φ2.4mパラボラアンテナ
人工衛星運用用UHF帯八木アンテナ

<電波暗室>

<φ2.4mパラボラアンテナ>

● 知的財産権(技術シーズ)

アンテナ放射パターン自動測定ソフトウエア

● 過去の論文や著書などの業績

Daisuke Nakayama, et. al., "On-Orbit Experimental Result of a Non-Deployable 430-MHz-Band Antenna Using a 1U CubeSat Structure", Electronics, Volume 11, Issue 7, April-1 2022.

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ より詳しい研究者データ