准教授
ふじもと あきこ
雲が様々な形に変化する様子を眺めることが好きな子どもでした。その興味はやがてアースサイエンスへの探究心へとつながります。日本人宇宙飛行士の方々がスペースシャトルで宇宙へ行ったり、船外活動する様子をテレビで見て、宇宙への関心も高まりました。その中で、安全・安心な宇宙利用において宇宙天気研究への興味が深まり、現在の研究に取り組んでいます。
宇宙天気インフォマティクス
宇宙天気ビッグデータの利活用を通して、安心・安全な電波伝搬通信社会の実現をテーマに、電波伝搬環境に大きな影響を及ぼす電離圏環境の計測と、そのデータ分析に関わる技術開発、及び電離環境モデルに関する基礎研究を行っています。
地表から約100km上空に広がる電離圏は、私たちの生活ととても密に関係しています。例えば、GPS位置測位システムを利用した車のカーナビゲーションや、スマートフォン搭載の地図アプリは、目的地までの道案内として、私たちの日常生活において便利なツールとなっています。ですが、電離圏環境が激しく乱れると、しばしば誤った位置情報を示すという問題があります。電離圏環境の乱れを防ぐことはできませんが、その代わり、この乱れを予測し、事前に把握することで、電離圏環境の影響を最小限にすることができます。これは、台風を例にして考えるとわかりやすいです。台風の発生は止められませんが、台風の到来を天気予報として皆さんに知らせることで、台風による災害に備えることができるということと同じです。
近年の機械学習の枠組みを応用し、限られた資源の中で様々に変化する電離圏環境を適切に計測できる観測システムや、高速かつ効率的に事例検出・分析できる汎用的な仕組みを創成することを目指しています。これからの時代は、宇宙飛行士に限らず、民間人も宇宙旅行を楽しむ時代になりました。晴天、台風、豪雪などといった地上の天気予報と同様に、宇宙船が飛翔する宇宙空間の環境や、電離圏環境といった宇宙天気を高精度に計測予報し、宇宙旅行や衛星通信といった安心・安全な宇宙利用時代を支える新たな情報技術開発を行っています。
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