イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

准教授

武村 紀子

たけむら のりこ

所属
情報工学研究院
知能情報工学研究系
プロフィール
1982
生まれ
2010
博士(工学)
大阪大学大学院
2010
大阪大学大学院
工学研究科
知能・機能創成工学専攻
博士後期課程修了
2007
大阪大学大学院
工学研究科
機械工学専攻
修士課程修了

人はそれぞれ感じ方、考え方が違い、その表現の仕方も違います。ですので、他人のことが分からないのは当たり前です。それでも人は互いに関係し合い、協調してなんとなくうまく生きています。この曖昧で柔軟な関係性を機械にも理解することができるのでしょうか。人のように機械が優しく寄り添える社会の実現を目指しています。

一人ひとりに優しい未来のシステム

● 研究テーマ

  • ❖ デスクワーク時の人の状態を推定し、個々のニーズにあった支援を行う研究
  • ❖ 対話時の姿勢や視線の変化からコミュニケーションを理解する研究
  • ❖ 歩行画像を用いて個人を識別したり、年齢・性別や健康状態等を推定する研究

● 分野

知覚情報処理、ヒューマンインタフェース・インタラクション

● キーワード

行動センシング、人の状態認識、知的支援システム

● 実施中の研究概要

ICTやIoTの発展・普及に伴い、ありとあらゆるものがインターネットを介して繋がるようになり、サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合した超スマート社会「Society5.0」の実現が期待されています。私たちは、Society5.0が描く未来のシステムとして、人を中心とした知的システム、つまり、個人のニーズに応じたきめ細やかなサービス・支援を自動で行うシステムの実現を目指しています。このような未来の支援システムでは「行動センシング」「ユーザ状態認識」「適応的フィードバック」といった3つのコア技術が重要になります。私たちはこれまでに、カメラ等の様々なセンサを用いて人の行動をセンシングし、計測した行動データから人の内部状態(ストレス、感情など)を推定、さらに、個々のニーズに応じたフィードバック(支援やサービス)を返すシステムの実現を目指してきました。このような人を中心としたシステムの難しさは、人の内部状態が非常に曖昧で変化しやすい点にあります。人の内部状態の微小な変化を計測するのは難しく、しばしば外的ノイズに埋もれてしまいます。また、そもそもストレスや感情といった内部状態を正しく評価すること自体も難しく、内部状態の正解値が得られないケースも多いです。さらに、曖昧で複雑な内部状態により、必要とするフィードバックも複雑に変化するため、最適なフィードバックをモデル化することも容易ではありません。私たちは、学習支援、コミュニケーション理解、歩容解析、スマートハウスなど、様々なアプリケーションにおいてこれらの課題を解決すべく、要素研究から応用研究まで幅広く研究を行っています。

● 知的財産権(技術シーズ)

・“効率推定装置”,特開2021-140139(2021年出願)
・“空調システム及び空調方法”,特許6259597号(2013年出願)
・“表情検出システム及び表情検出方法”,特許6202882号(2013年出願)
・“照明制御システム及び照明制御方法”,特許6118098号(2012年出願)
・“不快度推定システム及び不快度推定方法”,特許6075983号 (2012年出願)
・“顔しかめ検出システム及び顔しかめ検出方法”,特許6075982号 (2012年出願)
・“照明制御システム及び照明制御方法”,特許5941284号(2012年出願)
・“照明制御システム及び照明制御方法”,特許5921242号(2012年出願)

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
 ①富士通(2021)
 ②富士通研究所(2019-2020)
 ③三菱電機(2016-2018)
 ④大和ハウス工業(2011-2012)
【受託研究】
 ①ダイキン工業(2017-2020)

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ