イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

助教

川原 僚

かわはら りょう

所属
情報工学研究院
知能情報工学研究系
プロフィール
1990
生まれ
2019
博士(情報学)
京都大学
2015
京都大学
大学院情報学研究科
知能情報学専攻
博士前期課程修了
2013
京都大学
工学部電気電子工学科
卒業

サークルでロボットを作っていた時に、コンピュータの視覚に興味をもったのが研究のきっかけです。様々な物理現象を手がかりに、画像や映像から3Dのシーンを復元できるのが研究の魅力の1つです。

コンピュータの目とは?

● 研究テーマ

  • ❖ 撮影画像に基づくシーンの復元・理解・生成
  • ❖ ヒトの限界を超える計算機の視覚設計
  • ❖ 水中やミクロな視覚世界を捉える撮像系

● 分野

コンピュータビジョン、コンピュテーショナルフォトグラフィ、コンピュータグラフィックス

● キーワード

パターン認識、画像処理、3次元形状復元

● 実施中の研究概要

視覚はシーンの情報の獲得に重要な役割を果たしていますが、コンピュータにとっての視覚とはどういったもので、それは私たち人間と同じでしょうか?
コンピュータの目がカメラであるとすると、その位置や数は人間のように決まった制限もなく、可視光だけでなく近赤外線や紫外線を捉えるカメラもあります。我々は人間の模倣としての計算処理の考え方に囚われずに、今まで人間ではうまく捉えられなかった水中世界や、ミクロな世界をカメラの撮影画像から計測する研究に取り組んでいます。

❖ 撮影画像に基づくシーンの復元・理解・生成

現実世界では、私たちは外の世界に働きかけるために、環境を知覚・認識・理解しています。ただし、本来2次元の画像から3次元のシーン情報を獲得するのは簡単な問題ではありません。我々は画像から対象の形状・位置・動き・色などのさまざまな情報を獲得し、再現するためのコンピュータビジョン技術について日々研究しています。

❖ ヒトの限界を超える計算機の視覚設計

例えば球体の鏡に映っている風景を人間が直感的に理解するのは難しいですが、コンピュータならばそれを全方位パノラマ画像に変換できます。他にも、例えば水は近赤外光をよく吸収するため濡れているものは暗く見えますが、人間には赤外線は見えないためそのような現象を利用できません。このように人間とは異なる見かたや、人間に見えないものには外の世界の情報を得るヒントがまだまだ隠されています。コンピュータの処理を前提としてコンピュータの目そのものを工夫する研究分野はコンピュテーショナルフォトグラフィと呼ばれています。

❖ 水中やミクロな視覚世界を捉える撮像系

水中世界やミクロな世界は、私たち人間ですら捉えるのが難しく、まだまだ未知の領域です。これは探査や撮影の難しさだけではなく、屈折・散乱・吸収などの光学現象によって、私たちが普段見ている視覚世界と全く異なる見えとなっていることが原因の1つです。我々はこのような挑戦的な環境を捉えるための技術の開発に取り組んでいます。

● 特徴ある実験機器、設備

マシンビジョンカメラ、偏光カメラ、近赤外カメラ、顕微鏡カメラ、レーザープロジェクタ、特殊な部品(魚眼レンズ、フレネルレンズ、ビームスプリッタ、表面反射鏡、バンドパスフィルタなど)

● 関連リンク先

❖ より詳しい研究者データ

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/100001422_ja.html