ユビキタス時代を支える新世代インターネットの制御・管理技術の追究
総合領域-情報学-計算機システム・ネットワーク
情報通信ネットワーク、資源割り当て、ネットワーク計測
60年代末の米国の実験ネットワークARPAnetが起源といわれるインターネットは、今では世界を1つに結びつけ、社会・経済のインフラの役目を担い、文化さえ創造しつつあります。その利用の量的・質的な拡大は際限なく続いていますが、一方では、人間社会との不整合が様々な問題を引き起こしています。さらに、人だけではなく、すべてのモノ・コトが連携するInternet of Things (IoT)の時代を迎えようとしています。しかし、大規模性・多様性・管理分散性という特徴にも起因し、性能・信頼性・安全性・公平性などを、有限の資源(特に無線周波数や消費電力)の制約下で実現することは容易ではありません。本研究室では、その様な大規模・複雑なシステムとしての情報通信ネットワークの技術を研究しています。
極論すれば、資源の共有を局所的または大域的に効率よく行うための、モデル化、計測、制御技術であり、たとえば、直接計測できないインターネット内部の特性などを間接的、部分的な計測から推定する問題は、ネットワークトモグラフィに代表されるような技術的発展がありました。また、計測した結果を用い、時間的・空間的に競合を回避する適応的な資源割り当て問題も興味深い領域です。特に、無線通信や移動体通信技術の進展に伴い、有線・固定ネットワークを想定した当初のインターネットの設計を乗り越え、有線・無線融合インターネットを実現するための様々な技術、たとえば、DTN(Delay/Disruption Tolerant Networking) 技術や コグニティブ無線技術、に取り組んでいます。これらは、世界的に活発化している、10-20年後を目指した新世代インターネット研究の潮流の一部として、他大学や外部プロジェクトと連携しながら進めています。
新世代インターネットや、それに必要なネットワーク科学
『新世代ネットワークサービス基盤機構技術に関する研究開発』
情報通信研究機構(NICT)受託研究 (2008-2010)
その他、KDDI研究所、富士通九州ネットワークテクノロジーズ、九州電力、NEC、NTTドコモなどとの共同研究・受託研究。