イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

教授

塚本 和也

つかもと かずや

所属
情報工学研究院
情報・通信工学研究系
プロフィール
1978
生まれ
2006
博士(情報工学)
九州工業大学
2006
九州工業大学
大学院情報工学研究科
博士後期課程情報システム
専攻修了
2003
九州工業大学
大学院情報工学研究科
博士前期課程情報システム
専攻修了

大学院博士前期課程の頃に始めた、モビリティ管理手法の研究で、無線通信を介したトランスポートプロトコル技術に興味を持ち、その延長で、多種多様な周波数を切り替えるコグニティブ無線の研究を開始しました。

受賞
▶ 『通信ソサイエティ論文賞 (Best Paper Award)』電子情報通信学会 (2009)
▶ 『国際会議 SENSORCOMM Best Paper Award 』 (2008)
▶ 『IEICE CQ 研究会 奨励賞』(2008)
▶ 『IEICE IA 研究会 研究賞』 (2008)

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● 研究テーマ

  • ❖次世代無線ネットワークアーキテクチャに関する研究

● 分野

計算機システム・ネットワーク

● キーワード

モバイルネットワーク技術、ダイナミックスペクトラムアクセス、DelayTolerant Network(遅延耐性ネットワーク、DTN)

● 実施中の研究概要

現在、通信サービスのユーザーは、携帯電話や無線LANなど、様々な無線サービスを受けられる環境となりつつあります。このような無線通信技術で用いる周波数は、総務省が管理し、データ通信に適した周波数帯である30MHzから30GHzの割り当ては、ほぼ終了している状況となっています。そのため、現在、開発中の車車間通信などの新たな無線通信技術に割り当てるための周波数が枯渇しているのが現状です。一方で、これまでに割り当てた周波数の利用状況は時間的 [図②]・空間的 [図③]に変動すると報告されています。
ここで、時間的とは、たとえば昼と夜で周波数の利用状況が変動すること、空間的とは都心と郊外で周波数の利用状況が異なることを指しています。アメリカの周波数割当を管理するFCCの報告では、その利用率は15パーセントから85パーセントで変動することが分かっています。そこで、この一時的に利用できる周波数を有効利用して通信の効率性を向上できる技術として、コグニティブ無線ネットワークが注目されているのです。
特に本研究では、車車間通信にコグニティブ無線技術を適用することを目指しています。車車間通信 [図①]では、高いモビリティやノード密度の変化のため、通信経路の確立や通信量の決定が困難となるため、これらを実現する手法を考案します。

● 今後進めたい研究

ユーザーは多種多様な無線サービスを受けていまが、無線資源の需給は逼迫しており、今後の新無線通信技術のための割当周波数の確保が困難となっている状況です。そのため、貴重な無線資源を有効活用する管理、制御技術としてコグニティブ無線やDTN技術に着目して研究を進め、将来のよりよいネットワーク環境の実現を目指します。

● 知的財産権(技術シーズ)

▶『コグニティブ無線システムにおける未使用周波数帯検出方法および無線通信装置』特願 2008 - 312544 (2008)
▶『コグニティブ無線システムにおける利用周波数帯調整方法および無線通信装置』特願 2008 - 312545 (2008)

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【共同研究】
トヨタ IT 開発センター (テーマ : 車車間通信における自律分散チャネル調整手法、代表者 : 九州工業大学 情報工学部 尾家祐二、研究期間 : 2007-2009 (2007から研究分担者として従事)
【受託研究】
総務省 ユビキタスプロジェクト (テーマ : ユビキタスネットワーク制御・管理、代表者 : 九州工業大学 情報工学部 尾家祐二、研究期間 : 2003-2008 (2006から研究協力者として、2007から研究分担者として従事)

● 研究室ホームページ

研究システム

① 車車間通信

②時間的な周波数利用状況

③空間的な周波数利用状況