教授
おおにし けい
大学入学時に、人間はどれくらい機械なのかに興味があったのですが、入学後、計算機発明当初の研究者が計算機を用いて生物を合成しようとしたり、生物とは何かを追求しようとしていたことを知り、そのような研究をしたいと思いました。
人々が進化計算して人間社会の問題を解決する
ソフトコンピューティング
進化計算、bio-inspired、最適化、人間要素
人間社会には様々な問題があります。その解決策は、人々が自分たちで作り出さなくてはなりません。しかし、問題を解決しようとするとき、優れた解決策を思いつく創造的な人々がいつもいるとは限りません。集まった人々で解決策を出し合い、それを改善していくことが求められます。このとき、生物の進化がヒントになります。生物の進化は、「適者生存」の原理に基づき、いまある良いもの(個体)からさらに良いものが生み出されるプロセスです。生物の進化に学ぶ問題解決の方法も、「適者生存」の原理に基づき、人々が創った良い解決策からさらに良いものを創り出すこと、つまり解決案の改善を実現できます。このような生物の進化に学ぶ人間社会の問題解決の方法は、人間ベース進化計算と呼ばれます。
わたしの研究室では、この人間ベース進化計算の研究を行っています。具体的には、人間ベース進化計算をWeb上のシステムとして実装し、その解決案改善力を高める方法を研究しています。
人間ベース進化計算の解決案改善力を高めるためには、解決案を創り出す人々が力を発揮できるように支援することが必要です。その支援としてわたしの研究室では、問題解決中に、その解決に向けて活躍している人を参加者全員に周知するというアイデアを考え、実現しました。貢献が正当に評価されると誰でもうれしいもので、さらに貢献しようという気持ちになります。それ以外にも様々な支援が可能に思えます。そのような支援を考え、人間ベース進化計算の解決案改善力を高めていきます。
人間ベース進化計算による問題解決に参加している人々に、創造性が高まるような刺激を与えることを考えていきたいです。