准教授
い みんちょる
3Dイメージング技術は急速に発展し続けている分野であり、実生活に密接に結びつく実用的な研究テーマであることに魅力を感じ、本研究に取り組んでいます。
3次元映像技術で未来を切り拓く
光工学・光量子科学, 計測工学, 生命・健康・医療情報学
情報セキュリティ, 光情報処理, 3D imaging, Scatter removal, Biomedical imaging, Digital holography microscopy
インテグラルイメージング技法を用いた3Dイメージ再生法は、一般的なカメラを利用して物体の要素イメージを収集し、光学的なシステムをもとにコンピュータにより3次元的に再生する手法です。本手法を用いて以下の研究を行っています。
●霧の除去システム(Haze removal – Fourier Peplography)
Peplographyは視界不良環境下での可視化の手法です。一般的に霧は低い空間周波数スペクトラムを示すので、フーリエ空間で霧や視界不良の環境に最適なフーリエマスクを作り、適切にフィルタリング処理をすることで霧や水中の視界不良状況での3D再構成が可能になります(図1)。
●光子推定システム(Photon Counting System)
低照度での物体撮影と情報復元の手法です。イメージセンサでわずかな光子を撮影し、要素画像から光子の存在確率を推定して、イメージを再構成及び復元します(図2)。
●光信号処理とディープラーニングを活用した視界不良の災害現場におけるAR救援補助システムの研究
光散乱媒質、すなわち黒煙や白煙が立ち込める火災現場や、視界を確保できない超低照度環境などの災害現場で救助者にリアルタイムで視界確保を提供する光信号処理ベースの映像システムです。
●自律走行カメラシステムの研究
視界不良の環境でも撮影可能な3D映像システムを開発し、2D画像を用いたディープラーニングに基づく3D情報を推定するシステムの研究です(図3)。
図1.視界不良環境下での可視化の手法
図2.光子推定システム(Photon Counting)
図3.自律走行カメラシステム
既存の顕微鏡では細胞の2Dイメージを使って細胞の大きさと形を推定しますが、この方式の問題点を解決するのがDHMシステムです。本システムはホログラムの基礎理論を通じて光学システムを構築し、レーザーを使って血液細胞表面の形状と高さの情報を抽出し、計算を通じて3Dイメージを再生する方式です。さらに本システムは、細胞の様々な形状を観察し、分析が可能であるという長所を持っています。そのため、処理速度向上により、機械学習アルゴリズムを用いて血液を観察・分析し、被実験者の病名を簡単に診断できるシステムの構築を目指しています(図4)。
図4.3次元デジタルホログラフィー顕微鏡システム
❖ 3次元光子推定システムを利用した情報セキュリティに関する研究
❖ 超低照度環境における小型3次元デジタルホログラフィー顕微鏡と深層学習による検診システムの構築に関する研究
3次元デジタルホログラフィー顕微鏡(DHM)システム
https://ois3d.cse.kyutech.ac.jp/