助教
しゃお ちょんろん
無線通信により、対象エリア内のどこからでも簡単にインターネットに接続できます。このため、基本アーキテクチャからアプリケーションに至るまで、さまざまな無線システムに興味を持つようになりました。将来的には、無線システムを通じて、人とモノのユビキタスなインターネット接続が実現できると信じています。
ユビキタス時代のワイヤレス技術
情報ネットワーク
無線通信、無線ネットワーキング、モバイルコンピューティング、モノのインターネット 、ネットワーキング用組込みシステム
ここ数年、ライセンス不要の低消費電力広域ネットワーク(LPWAN: low-power wide area network)は、IoT(Internet of Things)向けの有望な無線ネットワーキングプラットフォームとして、学界と産業界の両方から大きな注目を集めてきました。このタイプのネットワークは、ライセンス不要のサブGHz帯域(433 MHz帯、868 MHz帯、915 MHz帯など)で動作し、大量の低消費電力IoTデバイス(ミリワット)が、長距離(数キロメートル)で低データレート(キロビット/秒)で無線通信できるようになっています。これらの魅力的な機能は、環境センシング、在庫追跡、位置情報に基づくモバイル広告など、幅広いIoTアプリケーションのニーズを満たすことが出来ます。その中でも、LPWANの代表格であるLoRaWAN(long-range wide area network)は、従来のサブGHz帯域の代わりに、最近2.4 GHzのライセンス不要帯域を活用するために新たに設計されています。そのために、LoRaWANでは、同じ2.4 GHz帯域で動作するWi-Fi/Bluetooth/ZigBeeネットワークからの技術間干渉 (CTI: cross-technology interference) によって引き起こされる無線通信障害が頻繁に発生することが分かっています。この重要で困難な問題を解決するために、現在行っている研究では、物理層とデータリンク層の両方にわたる斬新な設計でLoRaWANのクロス層研究を実施することにより、CTIを解決することを目指しています。既存のソリューションとは異なり、本研究で提案する技術は、通常のWi-Fi/Bluetooth/ZigBee通信に影響を与えず、CTIのパワーやパターンなどに関する仮定を立てません。これは、LoRaWANデバイスにCTIを解決するための体系的なアプローチを実装することによって実現されます。このように、本研究の成果により、Wi-Fi/Bluetooth/ZigBeeネットワークによって占有される混雑した2.4 GHz帯域でも、さまざまなLoRaWANによるIoTアプリケーションを実行することができます。
①『5Gネットワークのコ技術の開発』サムスン電子(韓国)、受託研究(2016-2017)
②『バックスキャッターネットワークによるワイヤレス電力伝送システム』サムスン未来技術研究振興院(韓国)、受託研究(2014-2016)