准教授
さとう ゆうすけ
何かに打ち込むことが好きな性分です。未知のことを調べ今までにないものを創り出すことにやりがいを感じます。そのような私が分子レベルの工学に心惹かれたことが、研究のきっかけです。肉眼で見えない小さな世界で、自分の意図した通りのモノができあがることにワクワクします。
分子スケールの工学で世界を豊かに
バイオ分子デバイス、DNAコンピュータ、ナノマイクロバイオシステム
分子ロボティクス,DNAナノテクノロジー,人工細胞膜
科学技術の進歩により、人類のモノづくり技術はナノメートル(1メートルの10億分の1)という分子サイズのスケールにまで到達しています。モノづくりには大きく分けて、元となる材料を望みのモノへと加工してく「トップダウン」のアプローチと、小さな材料自身が望みのモノに組み上がる「ボトムアップ」という二つのアプローチがあります。例えば、私たちの体を構成する細胞は、誰かが材料を加工して組み立ててくれたのでしょうか?もちろんそうではなく、細胞を作る生体分子の一つひとつがボトムアップ的に組み上がり、生き物が持つすばらしい機能を実現しています。つまり、ボトムアップでモノを作っていくことは、分子のサイズスケールでは有効な方法だと考えられます。また、分子サイズの機能デバイスを作ることや、それらを組み合わせ生き物のような優れた分子のシステムを作ることは、新たな技術の創出につながるのはもちろん、生命システムの理解といった基礎科学的な側面にも貢献できるでしょう。
さらに、さまざまな機能要素(デバイス)をシステムとして統合することで、ロボットを構築することができます。全ての構成要素が分子レベルで設計されたもの(分子デバイス)を適切に統合することで分子システム(すなわち分子ロボット)を構築することができます。
これらを踏まえ、主にDNAやタンパク質、脂質などの生体分子を材料として用い、ボトムアップのアプローチで分子デバイスや分子ロボットを創ることを研究しています。また、細胞内で生じる現象や細胞が持つ機能を参考にし、分子デバイスや分子ロボットの構築・制御に適用可能な技術を増やすことも研究しています。
電動蛍光顕微鏡、光ピンセット、フローサイトメーター、HPLC、分光光度計、冷却遠心機
特願・公開
【発明の名称】短鎖核酸,短鎖核酸が凝集してなる液滴・ゲル,および,それを用いた分子・粒子の集積・輸送・配置・センシング
【出願番号】特願2019-229786,
【発明者】瀧ノ上正浩, 佐藤佑介, 津村希望, 【出願人】東京工業大学
【出願日】令和元年12月19日
【主な論文】
Y. Sato et al., "Capsule-like DNA Hydrogels with Patterns Formed by Lateral Phase Separation of DNA Nanostructures" JACS Au 2, 159-168 (2022)
Y. Sato et al., "Sequence-based engineering of dynamic functions of micrometer-sized DNA droplets" Science Advances 6, eaba3471 (2020)
Y. Sato et al., "Micrometer-sized molecular robot changes its shape in response to signal molecules" Science Robotics 2, eaal3735 (2017)
https://sites.google.com/view/ysato-web/menu?authuser=0