イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

情報工学研究院

准教授

佐藤 佑介

さとう ゆうすけ

所属
情報工学研究院
知的システム工学研究系
プロフィール
1989
生まれ
2018
博士(工学)
東北大学
2018
東北大学大学院工学研究科
バイロボティクス専攻
博士後期課程修了
2015
東北大学大学院工学研究科
バイロボティクス専攻
修士課程修了

何かに打ち込むことが好きな性分です。未知のことを調べ今までにないものを創り出すことにやりがいを感じます。そのような私が分子レベルの工学に心惹かれたことが、研究のきっかけです。肉眼で見えない小さな世界で、自分の意図した通りのモノができあがることにワクワクします。

受賞
Chemical and Biological Microsystems Society Researcher Grant(2019)
優秀研究賞 化学とマイクロ・ナノシステム学会第38回研究会 (2018)
若手招待講演賞 第56回生物物理学会年会 (2018

分子スケールの工学で世界を豊かに

● 研究テーマ

  • ❖ 分子ロボットを高機能化するための分子デバイスの開発
  • ❖ 分子デバイスを制御するための方法論の構築
  • ❖ 生命現象の模倣と応用

● 分野

バイオ分子デバイス、DNAコンピュータ、ナノマイクロバイオシステム

● キーワード

分子ロボティクス,DNAナノテクノロジー,人工細胞膜

● 実施中の研究概要

科学技術の進歩により、人類のモノづくり技術はナノメートル(1メートルの10億分の1)という分子サイズのスケールにまで到達しています。モノづくりには大きく分けて、元となる材料を望みのモノへと加工してく「トップダウン」のアプローチと、小さな材料自身が望みのモノに組み上がる「ボトムアップ」という二つのアプローチがあります。例えば、私たちの体を構成する細胞は、誰かが材料を加工して組み立ててくれたのでしょうか?もちろんそうではなく、細胞を作る生体分子の一つひとつがボトムアップ的に組み上がり、生き物が持つすばらしい機能を実現しています。つまり、ボトムアップでモノを作っていくことは、分子のサイズスケールでは有効な方法だと考えられます。また、分子サイズの機能デバイスを作ることや、それらを組み合わせ生き物のような優れた分子のシステムを作ることは、新たな技術の創出につながるのはもちろん、生命システムの理解といった基礎科学的な側面にも貢献できるでしょう。
さらに、さまざまな機能要素(デバイス)をシステムとして統合することで、ロボットを構築することができます。全ての構成要素が分子レベルで設計されたもの(分子デバイス)を適切に統合することで分子システム(すなわち分子ロボット)を構築することができます。

これらを踏まえ、主にDNAやタンパク質、脂質などの生体分子を材料として用い、ボトムアップのアプローチで分子デバイスや分子ロボットを創ることを研究しています。また、細胞内で生じる現象や細胞が持つ機能を参考にし、分子デバイスや分子ロボットの構築・制御に適用可能な技術を増やすことも研究しています。

● 特徴ある実験機器、設備

電動蛍光顕微鏡、光ピンセット、フローサイトメーター、HPLC、分光光度計、冷却遠心機

● 知的財産権(技術シーズ)

特願・公開
【発明の名称】短鎖核酸,短鎖核酸が凝集してなる液滴・ゲル,および,それを用いた分子・粒子の集積・輸送・配置・センシング
【出願番号】特願2019-229786,
【発明者】瀧ノ上正浩, 佐藤佑介, 津村希望, 【出願人】東京工業大学
【出願日】令和元年12月19日

● 過去の業績

【主な論文】
Y. Sato et al., "Capsule-like DNA Hydrogels with Patterns Formed by Lateral Phase Separation of DNA Nanostructures" JACS Au 2, 159-168 (2022)
Y. Sato et al., "Sequence-based engineering of dynamic functions of micrometer-sized DNA droplets" Science Advances 6, eaba3471 (2020)
Y. Sato et al., "Micrometer-sized molecular robot changes its shape in response to signal molecules" Science Robotics 2, eaal3735 (2017)

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

https://sites.google.com/view/ysato-web/menu?authuser=0

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/100001534_ja.html