准教授
まつおか ゆう
細胞内でどのような反応が起こっているのかについて興味がありました。細胞内では、様々な要素が複雑に相互作用しています。この全体像を捉えようとするシステム生物学のアプローチによって、細胞の仕組みを理解していきたいと考えています。
細胞の代謝システムをコンピュータで
理解する
生命・健康・医療情報学
代謝制御、モデリング、シミュレーション、発酵生産
近年、分析技術の進歩により、細胞内の様々なオミックスデータ(遺伝子発現、タンパク質発現、代謝物濃度、代謝フラックスなどのデータ)が蓄積しています。オミックスデータは、階層構造を成しており、様々な要素が複雑に相互作用するため、それぞれのレベルのオミックスデータを解析するだけでは、細胞全体の代謝を理解することはできません。そこで、モデリングやシミュレーションなどのシステム生物学的なアプローチによって、これらの情報を統合的に解析することが求められています。
大腸菌は、増殖が速く、その特性がよく研究されているという利点から、細胞の設計に適した最も有望な微生物です。近年、大腸菌を用いた、再生可能資源からのバイオ燃料や有用物質生産が注目されています。このため、本研究では、大腸菌をモデル生物とし、殆どの生物に共通している、中心代謝経路(解糖系、TCA 回路、ペントースリン酸経路、および呼吸鎖)を含んだ、代謝モデルの構築を行っています。さらに、構築した代謝モデルを用いて、発酵産物の生産性を向上させるための培養法についても、検討しています。
産業用微生物だけでなく、植物や動物細胞の代謝モデルの構築にも取り組んでいきたいと考えています。細胞の仕組みをコンピュータ上に再現することを目指しています。