准教授
たかぎ かずひろ
意味の多様性を説明するための理論的な枠組みに関心があります。授業で出会った優秀な学生を集め、自主ゼミを開講し、「基礎」「古典」の重要性について伝えるべく、日々努力しています。
民間での経験を、若者に対する実践教育に生かし、学生が夢を持つ重要性を説いています。使用言語は日本語(摂津方言、関西出身なので)、英語、中国語、タイ語(勉強中)を活用するなど、ユーモアも交えて行っています。
ことばとこころの多様性と普遍性
①日本語学
②理論言語学
③認知科学
教育、意味,語用論,認知,テンス(時制)とアスペクト(相)
対象が、自然現象であろうと言語であろうと料理であろうと、それがなんであれ、一見、複雑に見える事象でも、うまくノイズを除くことができれば、その背景には単純で美しい一般的原理を見ることができます。
目下の関心は、それをいかに学生に伝えていくかということにあります。情報を取捨すべき基準を持たない学生は、情報化社会の負の側面、つまり、表面的な新規さ、その場限りの使い捨ての知識に、あまりに振り回されている感があります。そこから脱却するために、自主ゼミ(図①)を開講し、車輪の再開発(古典的なシンプルなモデルの構築)をさせることで、システムの本質に気付かせるよう指導(図②)しています。
日本語の文末表現を対象に、意味の多様性と、それをいかに単純に説明していくかということが、主たる研究テーマです。
記憶モデル(現実の事象が扱われる知識空間)をベースとした意味記述モデルを基本とし、テンス(時制)、アスペクト(相)など時間表現(図③参考)に関しては、これで扱います。さらには推量、判断などの表現を扱うために、仮想空間(想像、非現実などを含む知識空間)に対しての拡張を行い、記述モデルとして充実させていこうとしています。
ある種の論理を除けば、言語で表現出来る事柄は、非常に限定的です(娘への愛を表現するのに十分な言葉を私は持ちません)。にも関わらず、コミュニケーションにおいて言語が中心的役割を果たしているという考え方は、相変わらず支配的である。将来的には、非言語的コミュニケーションや暗黙の了解といった、陽に示されない、言語情報以外のコミュニケーションの手段を定式化する手法を開発していきたいと考えています。
【科研】
▶『日本語文末表現についての実証的研究』(2001-2002)
【教育】
▶日本語学 (一般言語学、理論言語学、日本語学) 言語分析法 (生成文法) 九州工業大学
▶自主ゼミ:専門とは関係なしに1〜4年生の学生10名程度を対象に、
a) ジャンクな計算機を再利用してのネットワーク構築
b) 使える英語をテーマとした勉強会を主催、若者が自立と夢を目指す自主発表など。
▶『日本語のさまざまなすがた』
九州工業大学 公開講座H19(2007).10.4〜計3回
▶学外教育:言語学概論 (北九州大学、1998-2008)、日本語教育能力検定試験対策講座 (YMCA 北九州、1999-2005)