講師
かわしま まさと
私の研究の原点は、自身のスポーツ経験にあります。小学生の頃に兄の影響で始めたバスケットボールに熱中する中で、トレーニングや怪我をした時に、身体の中では何が起こっているのだろう?と興味を持ちました。大学での学びの中で、スポーツ現場の当たり前が、実は根拠不足な場合もあると知り、自分で研究してみたいと考えるようになりました。
はたらく細胞 in 骨格筋:
細胞間コミュニケーションの探索
スポーツ科学、健康科学、分子細胞生物学
骨格筋、免疫細胞、腸内細菌
骨格筋は人体最大の臓器であり、極めて高い可塑性を持ちます。身近な例としては、筋トレによって肥大し、不活動状態が続けば萎縮します。また、怪我(損傷)を受けても速やかに修復・再生する能力も備えています。このように骨格筋は、恒常性を維持するために常に変化に適応しており、その過程で筋細胞(筋線維)は、周囲に存在する他の細胞(例えば、免疫細胞や血管内皮細胞)と密接に関わり合っていることが明らかになってきました。私は、この骨格筋の恒常性維持において、細胞間で交わされるメッセージのやり取りに着目し、研究を進めています。
▶ヒトの骨格筋内で起こる損傷や炎症の状態を即時的に評価できるデバイスの開発
▶マリンスポーツの一つであるスクーバダイビングにICTを活用する研究
【国外の共同研究者】
オーストラリア クイーンズランド工科大学 Dr. Jonathan Peake
【論文】
Kawashima et al. Frequent icing stimulates skeletal muscle regeneration following injury with necrosis in a small fraction of myofibers in rats. J Histochem Cytochem, 72(8-9): 569–584, 2024.
Nagata and Kawashima et al. Icing after skeletal muscle injury with necrosis in a small fraction of myofibers limits iNOS-expressing macrophage invasion and facilitates muscle regeneration. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 324(4): 574–588, 2023.
Kawashima et al. Icing after eccentric contraction-induced muscle damage perturbs the disappearance of necrotic muscle fibers and phenotypic dynamics of macrophages in mice. J Appl Physiol, 130(5): 1410–1420, 2021.