イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

矢吹 智英

やぶき ともひで

所属
工学研究院
機械知能工学研究系
プロフィール
1986
生まれ
2014
博士(工学)
明治大学大学院

新しく何かを知ることは好きでしたが、学業に注力できず、悶々としている時に研究室配属があり、研究の面白さに出くわして、ここまで来ました。自分の全力をぶつけられる対象が見つかったことがすごくうれしかったことを記憶していますし、魅力的な研究の機会を与えてくださった指導教員の先生にはとても感謝しています。研究を通して熱科学、エネルギー技術の発展に貢献すること、学生たちにわずかでも良い刺激が与えることができればと思っています。

受賞
日本伝熱学会学術賞(2023)
日本機械学会奨励賞(研究) (2021)
日本伝熱学会奨励賞(2014)
日本機械学会若手優秀講演フェロー賞(2012)
日本機械学会熱工学部門一般表彰講演論文表彰(2012)
日本伝熱学会優秀プレゼンテーション賞(2011)
日本機械学会若手優秀講演賞(2010)

マイクロ・ナノテクで熱をはかる、あやつる

● 研究テーマ

  • ❖高分解能計測技術を用いた沸騰熱伝達メカニズム解明
  • ❖濡れ性制御による相変化熱輸送の高効率化
  • ❖非線形熱デバイスの開発

● 分野

熱工学

● キーワード

沸騰、MEMS熱計測、冷却、相変化、熱スイッチ、熱ダイオード

● 実施中の研究概要

マイクロ・ナノテクを駆使して種々の熱流体現象を高度に制御したり、精密に計測してメカニズムを調べたりする研究を行っています。

● 沸騰熱伝達の研究

鍋底などで日常的に見かける沸騰現象は、他の伝熱形態と比較して高い熱伝達率を持っています。沸騰熱伝達は古くから産業で利用され、研究対象とされてきた一方で、なぜ高い熱伝達率を持つのかはよくわかっておらず、伝熱工学の教科書にも熱伝達メカニズムに関する明確な記載はありません。CPUやパワー半導体、高輝度LED等の高発熱密度体の冷却には沸騰の利用が将来的に必要で、沸騰を正しく理解することは学術的にも工業的にも重要です。そこで、私たちの研究室ではMEMS熱計測技術やレーザー計測技術など、これまで沸騰研究に用いられてこなかった計測技術を適用することで熱伝達メカニズムを観察する研究を行っています。また、得られた知見をフィードバックすることで、相変化を利用した高性能な冷却技術、熱輸送技術を開発する研究も行っています。

● 熱スイッチ・ダイオードなどの非線形熱デバイスの研究

電気の世界にはダイオードやスイッチ、バリスタ等、熱の世界にはない多様な非線形素子が存在しています。高性能な非線形熱デバイスを開発することができれば、これまでには不可能だった新しい熱制御が可能になり、さまざまな機器に含まれる発熱体の熱マネジメント技術や、エネルギー回収技術の発達に寄与します。私たちは、相変化や濡れ制御、電気化学反応などの種々の物理現象を利用して高性能な熱スイッチ・ダイオードを開発する研究に取り組んでいます。

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ より詳しい研究者データ