イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

松田 健次

まつだ けんじ

所属
工学研究院
機械知能工学研究系
プロフィール
1962
生まれ
1990
工学博士
九州大学大学院
1990
九州大学大学院
大学院工学研究科機械工学専攻博士後期課程修了
1987
九州大学大学院
大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了

ライフワ-クである「硬さに関する研究」の中で、現象を支配している普遍的な物理法則を理解することによって、簡便でかつ、機能・汎用性の高い材料試験法を実現できる可能性が高いことを見出しました。

受賞
ベストプレゼンテーション賞 (2003)
日本トライボロジー学会奨励賞 (1994)
日本機械学会論文賞 (1993)

トライボ要素の機能向上と硬さ試験機の新しい展開

● 研究テーマ

  • ❖反発硬さ試験機の新しい展開
  • ❖表面損傷
  • ❖高機能トライボ材料の開発

● 分野

設計工学・機械機能要素・トライボロジー(注1)
(注1)トライボロジーとは、摩擦、摩耗、潤滑など、界面間に発生する現象を総合的に取り扱う学問領域のこと。

● キーワード

トライボロジー、コーティング、硬さ試験、粗さ、接触問題、寿命、付着強度

● 実施中の研究概要

機械要素の機能・性能・信頼性・寿命などの向上を図るべく、トライボ要素の潤滑機構、ならびに表面損傷機構の解明に立脚して、新しい設計指針・概念、および新材料を提案・確立するための研究を行っています。

❖ 反発硬さ試験機の新しい展開

測定が簡便・迅速に行えるという特長を活かしつつ、かつ被膜の硬さや付着強度などの評価にも、応用可能な汎用性の高い反発性硬さ試験法の確立を目指した研究に取り組んでいます。

❖ 表面損傷

転動接触疲労亀(き)裂や、超硬合金の硬質材摺(しゅう)動面亀裂、繰り返し衝撃損傷や電食(注3)などの発生機構の解明、並びにそれらの発生防止を目的とした潤滑方法・耐損傷材料の開発のための新概念の確立を図りつつあります。
(注3)電食とは、起電腐食、電気化学的腐食とも呼ばれ、異種金属が接触して電解性の液などに接触している場合に、金属間で局部電池が形成され、+側の金属がイオン化によって腐食すること。

❖ 高機能トライボ材料の開発

表面被覆材の機械的特性評価法の確立を基礎に、宇宙空間のような極限環境下で安定作動可能なトライボ材料の開発を図るための基礎研究を行っています。

● 今後進めたい研究

簡便な力学的特性評価試験法の確立と機械要素のトライボ特性向上

● 特徴ある実験機器、設備

① レーザドップラー振動計を用いたハンマ挙動測定装置
② 表面形状測定機器
③ 繰返し衝撃試験装置
④ スパッタリング装置
⑤ 摩擦・摩耗試験機

● 知的財産権(技術シーズ)

『測定物の表面状態試験方法及びその表面状態試験装置』 (特開2009-063438)
『測定物の表面状態試験法』 (特許第4125625号(2008))
『咀嚼(そしゃく)回数検出装置』 (特許第3766973号(2006))
『咀嚼(そしゃく)回数検出装置』 (特許第3619835号(2004))

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

▶硬さ試験を利用した表面被覆材の機械的特性評価法の確立
▶転がり、滑りおよび衝突運動下の表面損傷発生機構の解明
▶トライボロジー特性に優れた固体潤滑膜の開発

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ より詳しい研究者情報

反発硬度試験機 レーザードップラー振動計を用いて ハンマ反発挙動の精確な測定が可能

接触面形状のその場観察 ガラス平面に押し付けたゴム表面の凹凸形状変化を レーザー変位計で測定

繰返し衝突面鋼球を100万回衝突させた後の 試料表面(上:乾燥状態,下:油潤滑面)

咀嚼(そしゃく)回数検出装置食事中の会話と 咀嚼とを区別して、咀嚼の回数のみ簡便に測定します