イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

准教授

松尾 一矢

まつお かずや

所属
工学研究院
機械知能工学研究系
プロフィール
1983
生まれ
2010 
博士(工学) 
九州大学大学院
システム情報科学府
2010 
九州大学大学院
システム情報科学府
知能システム学専攻
博士後期課程修了
2007
九州大学大学院
システム情報科学府
知能システム学専攻
修士課程修了

私が研究者になったのは、研究が好きだからです。世界中で自分しか気付いていないかもしれない事実に触れたときの高揚感や論理的に話を組み立てて真実を明らかにする爽快感は、他に並ぶものがありません。謎を解き明かすという行為は、人間の本能に訴えかける魅力を持っています。

受賞
2014 電気学会 優秀論文発表A賞
2013 SI2013 優秀講演賞
2008 IEEE Robotics and Automation Society (RAS) Japan Chapter Young Award

人の情報を計測して色々なことに役立てよう

● 研究テーマ

  • ・ベッドに敷いた圧力センサを使って人の睡眠の状態を計測する
  •  圧力センサで測定した寝ている人の胸や腹の動きから、人の呼吸と心拍が計測できる。その呼吸と心拍の変化の様子を調べることで、眠りの深さや睡眠時無呼吸症候群かどうかなどが 分かる。
  • ・手作業認識のための触覚センサ素子配置の決定手法
  •  触覚センサを使って人の手作業の内容を認識するときに、手のどこにセンサを付ければ効率よく認識できるかを研究した。

● 分野

知能情報処理・知能ロボティクス,知能機械学・機械システム

● キーワード

情報センシング,パターン認識,メカトロニクス

● 実施中の研究概要

ベッドに敷いた圧力センサを使って、人の情報を計測する研究をしています。まず、柔らかくて薄い圧力センサを使って、寝ている人の重さでベッドにかかる体圧を測定します。この体圧から、人の情報が色々と分かります。例えば、寝ている姿勢や寝返りが分かります。他にも、呼吸したときの胸や腹の膨らみや心臓の鼓動による圧力の変化から、寝ている人の呼吸と心拍の状態が計測できます。これらの情報を組み合わせることで、眠りの深さや睡眠時無呼吸症候群かどうかなども分かります。眠りの質は健康状態を大きく左右するため重視されています。
 将来は、この研究を発展させて、ベッド上の人を見守る実用的なシステムを構築したいと考えています。病院や介護施設といった実際の現場で、患者や被介護者の見守りを安定して行えるシステムができれば、看護師や介護者の負担を大きく軽減することができます。これらの仕事は現在でもすでに激務とされており、今後はさらに人手不足が深刻になると思われるため、この分野の研究はますます需要が増すと考えられます。

● 今後進めたい研究

実施中の研究概要に書いたように、ベッド上の人を常に見守ることができるシステムの構築を目標としている。

● 特徴ある実験機器、設備

柔らかくて薄い圧力センサを保有している。大きさは50cm四方のものがひとつと、90cm×60cm程度のものがひとつである。どちらも厚さは数mmであり、簡単に折りたためるくらいに柔らかい。

● 知的財産権(技術シーズ)

【特許】
就寝者の心拍測定方法および心拍測定装置
特許出願番号:2014-070207
出願年月:平成26年3月28日
発明者:向井利春,松尾一矢,加藤陽,清水厚輝

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

特になし

●業績

【論文】
柔軟面状触覚センサを用いた呼吸と心拍の無拘束計測,日本機械学会論文集(2015)
ベッド上の触覚センサによる姿勢・呼吸・心拍の無拘束測定,日本機械学会論文集(2014)
A Decision Method for Placement of Tactile Elements on a Sensor Glove for the Recognition of Grasp Types,IEEE/ASME Transactions on Mechatronics(2010)
手作業認識のための触覚センサ素子配置の決定手法,日本バーチャルリアリティ学会論文誌(2008)

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/100000803_ja.html