イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

伊東 啓太郎

いとう けいたろう

所属
工学研究院
建設社会工学研究系
プロフィール
1966
生まれ
1998
博士(農学)
九州大学大学院
1998
九州大学大学院
大学院農学研究科
博士課程(林業学専攻) 修了
1996
九州大学大学院
大学院農学研究科
博士課程(林業学専攻) 単位修得退学

学生の頃から、アフリカ、ヨーロッパ、インド、アジアの国々約40カ国を旅し、様々な人や街、風景に出会いました。標高3000mを超える高地に住んでいる人たちやほとんど雨の降らない砂漠に住んでいる人たち、冬には-20℃以下になる寒冷地に住んでいる人たちがいました。このような旅を通じて、その土地らしい風景は、どうやったら再生できるのか、人と人、自然がつながっていく環境デザインとは何かという疑問が、研究に取り組むきっかけでした。その土地特有の生態系、風土、文化が失われていくなかで、「温故知新」という言葉を思い出しながら、これから必要とされる技術について研究していきたいと思っています。

受賞
▶キッズデザイン賞 「金賞」(経済産業大臣賞) (2007)
▶ グッドデザイン賞 (2006)
▶ 福岡産業デザイン賞・大賞 (2005)
▶ 学校ビオトープ優秀賞(計画部門) 全国学校ビオトープ・コンクール2005 (2006)
▶ タキロン国際デザインコンペティション 1999・入賞 (2000)

より詳しい研究者情報へ

豊かな自然環境と調和した都市景観をデザインする

● 研究テーマ

  • ❖水辺の環境再生や緑豊かな都市建設の環境デザイン

● 分野

環境デザイン、森林生態学

● キーワード

エコロジカル、デザイン、生態学、環境設計、公園、遊び場、ビオトープ(注)、子供、屋上緑化、都市緑化
(注) Biotopは、本来はドイツ語で、英語ではbiotopeと記す。日本語でもカタカナで用いられることが多いが、訳語としては生物空間、もしくは生物生息空間という表現が用いられることもある。生物が住みやすいように、自然と同じ条件に改変した環境を示すこともある。

● 実施中の研究概要

『緑あふれる豊かな環境をつくるランドスケ-プデザイン』をコンセプトに生態学、環境デザイン、認知心理学をべ-スに、実際に公園や川、学校などの計画・設計を行いながら3つの研究を進めています。

①環境設計系では、ワ-クショップや調査を通して、生態系の保全と活用、また地域の特性など様々な事象を複合的に捉え研究を行っています。
・自然体験・観察の森の計画・活用地域の森において子供の環境学習のワ-クショップの実施や利用者・市・大学・専門家協働での計画・活用を実施
・エコロ-ジ-パ-クの計画・設計子どもの遊び環境について調査を行い、また環境の修復を目指して、エコロ-ジ-パ-クの計画・設計を研究
・学校ビオト-ブの計画・活用小学校の中庭にビオト-ブ(生物の生息空間)を子どもと一緒に計画・設計し、遊びや環境学習の場としての活用方法を研究

②緑化工学系では、環境に低負荷で接続的利用が可能な緑化基盤材の開発、またはそれを用いた低管理な植栽基盤材料の研究を行っています。
・「環境に低負荷な材料」
環境負荷の少ない材料(自然素材)で製作した植栽枡、およびそれを用いた植物の育成法について研究
・「竹材を用いた緑化基盤材料の開発」
里山や造林地において竹林が拡大、持続的利用が可能な竹材を用いた植栽基盤材料の開発を目指し、植栽マルチ材、排水材、植物繊維系土壌への応用を研究
・「屋上緑化」
現在、主に使用されている芝セダムよりも低メンテナンス、低コストで緑化が可能な植物を用いた植栽基盤の開発

③緑地計画系
都市計画での緑地の保全、創造、活用の提案を行うためにGIS(地図情報システム)などを用いて研究を行っている。
・「生態系ネットワ-クの構築計画」
緑地の分布状況や連続性を把握・評価することにより、生物のつながりを効果的に構築する方法を研究
・「緑地の経年変化の解析」
年代別の緑地分布を作成して、変遷を把握することにより、緑地減少の原因解明および防止策を研究
・「緑地の利用状況の把握」
緑地の地理的条件や利用状況を把握することにより、環境教育などへの活用方法を研究

● 今後進めたい研究

【共同研究など希望テーマ】
公園設計、都市緑化技術、子供の遊び場設計
【企業向けPR】     
屋上緑化技術、ヒートアイランド対策、公園設計技術、エコロジカル技術
【受験生向けPR】    
都市空間を美しく緑豊かな生物の生息空間としてデザインしていく方法を研究しています。

● 特徴ある実験機器、設備

屋上緑化の実験設備、グリーンキューブ実験設備(エネルギーコストや生態系を考えた住宅モデル)

● 知的財産権(技術シーズ)

『植栽桝及びそれを用いた植物の育成法』 (特開2006-075153)
『ガムパッケージ』 (特開2006-036259)

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

▶ヒトと魚の生態に着目した魚道デザインに関する研究(2008)
▶夜宮公園巡り坂池における水辺環境の再生と地域との協同に関する研究(2008)
▶改良土の再資源化の可能性について(2006)
▶土漆喰を用いた環境保全型植栽枡の開発(2005)
▶改良土の再資源化の可能性について(2004)

● 研究室ホームページ

壱岐南小学校でのワークショップ風景

屋上での植物生育実験

竹林での調査風景

緑地ネットワークのシミュレーション