イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

助教

石塚 直登

いしづか なおと

所属
工学研究院
建設社会工学研究系
プロフィール
1986
生まれ
2019
博士(工学)
横浜国立大学大学院
2018
横浜国立大学
大学院 都市イノベーション学府
博士後期課程単位取得退学
2013
横浜国立大学
大学院 都市イノベーション学府
博士前期課程(Y-GSA)修了

学生のときに東日本大震災の復興支援に関わり、その成果や課題を今後に生かすために「研究」として残していくことが必要だと思ったことが研究者を目指したきっかけです。
そして、日々の生活の少しの不便をデザインで解決していくことがそれぞれの研究のきっかけです。

生活を豊かにする空間デザインの探求と実践

● 研究テーマ

❖団地や空き家の改修を通した、日常生活を豊かにする空間デザインの探求
❖過去の災害に学ぶ、地域再編の最適なありかたの研究(防災による過去の集落移転の研究)
❖より豊かな学び・創造を誘発する大学キャンパスの空間デザインの提案

● 研究分野

  • 建築史および意匠関連、建築計画および都市計画関連、デザイン学関連

● キーワード

  • 住宅、団地、空き家、ストック活用、防災、集落移転、高台移転、復興、キャンパスデザイン、大学施設、建築設計、建築デザイン

● 実施中の研究概要

主に3つの分野の研究と実践を行っています。

1つ目は、団地や空き家の改修を契機とした日常生活の空間のデザインについての研究・実践です。実際に地域の団地や空き家をリノベーションしながら、快適なデザインの提案、そしてその提案が本当に快適なのかを検証しています。最近の事例としては、九州のUR団地で、「あんどん部屋」といわれる窓のないタイプの間取りの団地に関する調査、そういった間取りに対するリノベーションや、外壁デザインの一新に取り組みました。

ー団地の外壁改修の完成イメージ図ー

2つ目は、過去の災害で移転した集落の調査です。今後、コンパクトシティ化の要請もあり増えていくであろう、防災による事前の集落移転の適切な方法を探っています。建築のデザインは、敷地の中で考えていれば良い時代ではなく、地域全体の再編や敷地の設定をデザインするところから考える必要が出てきていると思い、このテーマを扱っています。能登半島での復興など、災害復興においても使えるような教訓を見出して行きたいと考えています。

ー荒廃しながらもインフラが維持され続けている移転集落の跡地(滋賀県の事例)-

3つ目は、大学キャンパスの空間改善の研究・実践です。空間デザインは身近な空間での実践の積み重ねが非常に大切です。私自身や一緒に研究に取り組む学生たちが、もっとも長く時間を過ごす九工大のキャンパスを改善していく、というデザインの実践を大事にしています。大学内の建築の改修・新築のデザイン監修に加え、出来上がったあとに使う際にも様々な提案を行います。近年では、旧体育館を改修したコワーキングスペースGYMLABOの設計などに関わっています。そして、提案したデザインが実際にどう使われているかを研究として分析することで、より良いデザインを目指しています。また、九工大は地域の中で明専の森とよばれ公園的な役割をはたしていることもあり、大学の空間の地域への開放についても研究しています。

ー建築の完成後も新たなレイアウトを提案 (GYMLABOの新歓イベントレイアウトの提案)-

● 今後進めたい研究

すでに、少し始めていますが、大学内の伐採樹木の再活用の研究を行っています。持続可能性がさけばれる中で、大学だけでなく都市に内在するさまざまな資源を、再活用・循環させていくことは重要な課題です。その中で、公園の樹木・街路樹などを資源化していくことに興味を持っています。その他にも、手入れの行き届かない山林や竹林、地域固有の材料などを活用した、その場所だからこそできる建築のつくり方について、研究を進めていきたいです。

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【受託研究】①『住宅ストック活用の実践研究(住宅の店舗へのリノベーションの実践)』(2023~)
【実践】①UR沖台団地の改修に際した活用検討(住戸リノベーションコンペの実施と設計監修、外壁改修のデザイン検討監修)(2021~)

● 過去の論文や著書などの業績

【論文】
①『石塚直登、徳田光弘:日本におけるハウスメーカーの総合カタログの構成と記述の特性,日本建築学会技術報告集,28 (70),pp. 1590-1595』(2022)
②『石塚直登:牡鹿半島における防災集団移転促進事業の造成計画案の変遷に関する報告,日本建築学会技術報告集,24(56),pp.329-332』(2018)
【作品】
①『(仮称)未来思考実践センター(基本計画・実施設計監修)』(2023~2024)
②『UR都市機構・沖台2丁目外壁修繕デザイン基本計画』(2021~2023)
③『九州工業大学イノベーション施設GYM LABO(建築基本設計およびデザイン監修,内装選定,一部家具・サインのデザイン・制作)』(2022)

● 関連リンク先

❖ より詳しい研究者データ