イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

大塚 信也

おおつか しんや

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
1971
生まれ
1998
博士(工学)
九州大学大学院
1998
九州大学大学院
大学院システム情報
科学研究科博士課程
電気電子システム工学
専攻修了
1996
九州大学大学院
大学院工学研究科
修士課程電気工学
専攻修了

最近では、電力システムの送配電機器の異常診断技術の開発や電気光学的先端計測技術を用いた部分放電現象の詳細な観測をはじめ、次世代直流システムのハイブリッド診断技術や、次世代航空機の対雷対策技術、カーエレクロニクスのESD対策技術やEMC技術、電磁波放射源の可視化技術に関する研究を行っております。これらの研究を通して、次世代の電力システムの構築・開発や電気工学の分野から安心安全を社会に与えることを目指しています。

受賞
▶ 2003 The 13th International Symposium on High Voltage Engineering, Best Paper Award
▶ 2004 電気学会全国大会優秀論文発表賞、電気学会優秀論文発表賞
▶ 2005 電気学会優秀論文発表賞

電気エネルギー機器の環境調和と
高度化・新機能創出を目指して

● 研究テーマ

  • ❖『電気エネルギー機器の環境調和と高度化・新機能創出』の研究

● 分野

5101電力工学・電気機器工学、5607エネルギー、

● キーワード

電力・高電圧工学、電気絶縁、光、高周波(UHF/SHF 帯)、診断、電磁界解析、可視化、ESD、

● 実施中の研究概要

大塚研では、電気エネルギー(電力)・環境・新技術をキーワードに、電気エネルギー分野の基盤技術から、将来の電力システムを担う新しい要素技術・応用技術など次世代の電気エネルギー先端技術に関するまでの研究・教育を幅広く行っています。対象とする基礎現象の理解とその知見に基づく応用・展開を研究の両輪としています。そのため、測定と解析技術の高度化、課題への展開・挑戦、および新しい技術や学問分野の提案を積極的に行いたいと思っています。
本研究室では「電気エネルギー機器の環境調和と高度化・新機能創出」 を目指して、現在、以下のような研究テーマを実施しています。
①「電力機器の環境調和技術の開発」として、環境低負荷ガス絶縁媒体の研究やEMC(Electromagnetic Compatibility、いわゆる「電磁両立性」)対策技術などの電磁環境調和技術、電界計算に基づくコロナフリー電力機器に関する研究など
②「先端放電計測装置の高度化」として、微弱高速の放電現象を、放電の発光像や電流、放射電磁波などを計測、解析する技術の開発
③「電力機器の絶縁診断技術の高度化と国際規格化」として、上記の研究と相互に関連づけて、部分放電現象に基づく絶縁診断技術に関する研究
④「自己回復性マイクロヒューズSRF開発による過電流保護や防災保護素子(メカニカルヒューズ)の実現」として、誘電泳動力を用いた新しい動作原理に基づく保護素子の提案・開発
⑤「可視化技術」として、放射電磁波源の探索・評価技術や、センサ―・画像解析技術による防災・防犯用技術の開発
⑥その他として、直流システムなど次世代電力システムの診断技術開発、カーエレクトロニクスのESD対策技術、MEMSやナノテクノロジーなどを実施、あるいは計画しています。
このような研究・開発を通して、電気工学的アプローチによる、安全安心な社会実現技術に挑戦しています。

● 今後進めたい研究

① 電気エネルギー機器の電気絶縁や部分放電現象に関する研究
② 電気エネルギー機器の絶縁状態・寿命評価に関する研究
③ 環境やエネルギーあるいはバイオテクノロジー分野での高電界応用に関する研究
④ 人の認識や判断に関する心理学的知見の工学分野への応用展開に関する研究

● 特徴ある実験機器、設備

①時間空間分解部分放電発光分光測定装置(フレーミングICCDカメラ、ストリークカメラ、ICCDカメラ、分光器、高電圧圧力試験容器、光電子増倍管、高電圧電源、高速デジタルオシロスコープ、スペクトルアナライザ、ディレイジェネレータ等から構成される部分放電発光観測の先端的計測装置)
②SHF_PDPW装置(SHF帯までの超広帯域部分放電電流パルス波形関引くの先端的測定装置)
③高速ビデオカメラやマイクロスコープ、3次元レーザ顕微鏡などの各種観測装置
④2次元/3次元電界計算ソフトや、光・電磁界伝搬解析ソフト、過渡現象解析ソフトなどの解析ツールと解析用ワークステーション
⑤ESD(静電気放電)試験装置

● 知的財産権(技術シーズ)

『誘電泳動力を用いた自己回復性限流ヒューズ』発明者:大塚信也 特許第3955956号、US 7,626,483 B2
『部分放電電荷量測定方法および装置』発明者:大塚信也 特許第4797175号、US 7,782,063
『電磁波発生源可視化装置及び方法』発明者:大塚信也 特願2009-201568
『部分放電発光検出方法及び装置』発明者:大塚信也 特願2008-271606

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【政府機関からの研究資金】
▶『環境負荷の極小化を目的とした電子付着性ガスを微量混合した新絶縁媒体ガスの研究』、文部科学省、科学研究費補助金、若手A、代表者 (2002-2005)
▶『直流システム保護用自己回復性マイクロヒューズの開発』、(NEDO)新エネルギー・産業技術総合開発機構、産業技術研究助成事業費助成金、代表者 (2005-2008)
▶『ナノ粒子混入による環境負荷の小さなガス絶縁媒体の高耐力化と新機能創出』、
文部科学省科学研究費補助金、若手研究A、代表者 (2006-2009)
▶『新しい放電電荷量評価・校正手法のための研究調査』、(NEDO)新エネルギー・産業技術総合開発機構、国際共同研究先導調査事業、代表者 (2007-2008)
▶『部分放電試験における放電電荷量の非接触評価・校正手法に関する標準化』、NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構、戦略的国際標準化事業(標準化先導研究)、代表者(2010)

【財団等研究助成】
▶『車載エレクトロニクスのEMC性能向上のための電磁ノイズの評価と対策技術の標準化に向けた研究』、北九州産業学術推進機構、代表者 (2008-2010)
▶『次世代直流電力システムの早期異常診断を可能とするハイブリッドPD検出装置の開発』、東電記念科学技術研究所、研究助成(基礎研究)、代表者 (2009-2011)
▶『新たな絶縁方式や絶縁診断技術の高度化を目的とした時間空間分解放電測定システムによる部分放電現象の先端計測』、パワーアカデミー、研究助成(萌芽研究)、代表者(2009-2010)

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/76_ja.html