高機能カーボンナノチューブ創製
ナノ材料・ナノバイオサイエンス、薄膜・表面界面物性
カーボンナノチューブ、ナノエレクトロニクス、走査トンネル顕微鏡、自己組織化
カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素の同素体の一つで、直径0.4~50nmの中空円筒状になっています。このカーボンナノチューブは、直径や長さによってかなりの自由度を持っているので、チューブ内に原子や分子を閉じ込めることができます。円筒部分の構造の違いにより金属になったり半導体になったりします。また、機械的に強靭で化学的にも安定しているため、新材料として様々な分野で近年注目を集めています。
このような背景の中で、炭化ケイ素(SiC、シリコンカーバイド)基板を高真空中で加熱すると、直径や密度、配向性の整ったカーボンナノチューブが基板表面に形成されることが発見されました。このSiC表面に予めレーザやイオン照射をしてから加熱することで、カーボンナノチューブの選択成長や品質制御できることが我々の研究で明らかになりました。
(図(a)レーザ照射なし、(b)レーザ照射あり。)
この技術を発展させることにより、より付加価値の高いカーボンナノチューブを簡易に作製する手法の開発を目指しています。
SiC表面の変性により高機能カーボンナノチューブを作製し、それをナノエレクトロニクスデバイスに応用することを目指しています。
①走査トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope、STM)
②低速イオン散乱分光装置
③スパッタ蒸着装置
④CVD装置(Chemical Vapor Deposition)
2003 ダイヤモンドを用いた高効率電子放出素子の開発