イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

内藤 正路

ないとう まさみち

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
1966
生まれ
1994
博士(工学)
大阪大学大学院
1994
大阪大学大学院
大学院工学研究科
博士後期課程修了
1991
大阪大学大学院
大学院工学研究科
博士前期課程修了

10年ほど前にシリコンカーバイド(SiC)の表面構造について研究を行っていました。このSiC表面上にカーボンナノチューブ(CNT)が成長することが楠美智子博士(現名古屋大教授)により発見されたのですが、縁あってその方とSiC表面上のCNT成長について共同研究を始めたのがきっかけで、今も続けています。

受賞
2001 日本真空協会 真空進歩賞

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高機能カーボンナノチューブ創製

● 研究テーマ

  • ❖高機能カーボンナノチューブの作製と応用

● 分野

ナノ材料・ナノバイオサイエンス、薄膜・表面界面物性

● キーワード

カーボンナノチューブ、ナノエレクトロニクス、走査トンネル顕微鏡、自己組織化

● 実施中の研究概要

カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素の同素体の一つで、直径0.4~50nmの中空円筒状になっています。このカーボンナノチューブは、直径や長さによってかなりの自由度を持っているので、チューブ内に原子や分子を閉じ込めることができます。円筒部分の構造の違いにより金属になったり半導体になったりします。また、機械的に強靭で化学的にも安定しているため、新材料として様々な分野で近年注目を集めています。
このような背景の中で、炭化ケイ素(SiC、シリコンカーバイド)基板を高真空中で加熱すると、直径や密度、配向性の整ったカーボンナノチューブが基板表面に形成されることが発見されました。このSiC表面に予めレーザやイオン照射をしてから加熱することで、カーボンナノチューブの選択成長や品質制御できることが我々の研究で明らかになりました。
(図(a)レーザ照射なし、(b)レーザ照射あり。)
この技術を発展させることにより、より付加価値の高いカーボンナノチューブを簡易に作製する手法の開発を目指しています。

①レーザ照射なし

②レーザ照射あり

③SiC表面分解法

● 今後進めたい研究

SiC表面の変性により高機能カーボンナノチューブを作製し、それをナノエレクトロニクスデバイスに応用することを目指しています。

● 特徴ある実験機器、設備

①走査トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope、STM)
②低速イオン散乱分光装置
③スパッタ蒸着装置
④CVD装置(Chemical Vapor Deposition)

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

2003 ダイヤモンドを用いた高効率電子放出素子の開発

● 研究室ホームページ

低速イオン散乱分光装置

CVD装置