教授
かわの ひであき
画像処理は、知能情報処理の効果を視覚的に表現することができ、一目で有用性を理解してもらえるという点で、研究成果の効果的な伝達手段の一つであると考えています。
また、人間の学習や記憶の機能を導入した画像処理のアルゴリズムは、処理結果に劇的なインパクトをもたらすことを視覚的に体感できる点も面白いところです。
学習や判断を行う知能情報処理で
画像処理をもっと身近に
感性情報学・ソフトコンピューティング
知覚情報処理・知能ロボティクス
知能情報学
画像処理、コンピュータビジョン、パターン認識、クラスタリング、ソフトコンピューティング
私たちが取り組んでいる研究は「知能情報処理」で多岐にわたりますが、一貫して人間が日常的に行っている判断や学習、記憶といった知的機能をコンピュータで実現することを目指しています。ニューラルネットワークやファジィ理論などの人間の情報処理様式に範をなすソフトコンピューティング技術を研究手段の柱として、パターン認識手法や統計学的手法なども援用しながら、人間の知能情報処理を実現し、「画像」 という表現形式を追求しています。
また、研究対象が画像や映像であることが多いので、信号・画像処理技術やコンピュータビジョン関連のアルゴリズムやソフトウェアにも精通しています。最近の主な研究成果には、「知覚的鮮鋭性を保持した学習型画像拡大法の開発」、「ステレオビジョンによるラフな物体配置取得法の開発」、「飾り文字の骨格抽出法の開発」などがあります。画像や映像はデジタル情報機器の表示部を担うものです。学習や判断といった人間ならではの機能が画像処理に組み込まれることで、画像処理の有益性をデジタル情報機器の精通者のみでなく、あまり関心がなく得意でない人にも体感してもらえることになると思っています。
人間の学習機能(過去の事例を参考に現在直面する課題の答えを導く能力)を知覚情報処理に取り入れることで、場面や環境に応じた柔らかな知能システムを実現し、画像や映像の処理へ応用することで、人間の視覚機能の補助ツールとして展開していきたいと考えています。
ステレオカメラ
▶『自己縮小画像コードブックとファジィ推論に基づく実時間映像拡大処理システムの開発』
日本学術振興会、科学研究費補助金、基盤研究 C、分担者 (2009-2011)
▶『代数的グラフ解析による情景中文字のグラフ構造化とその認識手法に関する研究』
カシオ科学振興財団研究助成 (2008-2009)
▶『自己縮小画像コードブックとベクトル化ファジィ推論を応用した画像拡大法の開発』
日本学術振興会、科学研究費補助金、基盤研究 C、分担者 (2006-2008)
▶3次元地図作成に関する研究 (2007)