イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

小迫 雅裕

こざこ まさひろ

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
1974
生まれ
2002
博士(工学)
九州工業大学大学院
2002
九州工業大学大学院
大学院工学研究科
博士後期課程
電気工学専攻修了
1999
九州工業大学大学院
大学院工学研究科
博士前期課程
電気工学専攻修了

ナノテクの発展を機に、2002年からナノテクを用いた電気絶縁材料の開発を開始し、2004年にナノコンポジット材が耐部分放電性に優れていることをいち早く世界に発表しました。
材料工学からの着眼で、応用までを見据えた材料開発と評価を同時に進めています。

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ナノコンポジット技術の応用によるパワーエレクトロニクスや電力分野への貢献

● 研究テーマ

  • ❖次世代パワーモジュールのナノコンポジット技術による高性能化

● 分野

電子・電気材料工学、複合材料・物性、構造・機能材料、高電圧・絶縁工学

● キーワード

ナノ技術、ナノ粒子、ナノコンポジット、高熱伝導性電気絶縁材料、高電界電気現象

● 実施中の研究概要

半導体デバイス(IGBTなど)の実装基板は、高熱伝導率、高耐電圧などが必要です(図1)。現状では、セラミックスが使われていますが、高価で、加工しにくいなどの欠点があり、エポキシコンポジット材(注1)のフィラー高充填が検討されています(表1)。しかし、高充填は混合物の高粘度化を招くために限界があり、また絶縁特性を著しく低下させます(図2)。これら問題を解決するため、熱伝導性はセラミックスと同等(将来要求レベルである10W/m・K程度)とし、絶縁特性はセラミックス以上にすることを目標にして、研究を行っています。現在、一般的なエポキシコンポジット材にナノサイズの無機フィラーを分散させる(注2)独自に開発した技術により、創製したナノ・マイクロ複合コンポジット材(図3)の特性検証、特性改善およびそのメカニズム解明を進めています。
このように、実用可能な電気絶縁性ポリマー材料の開発にナノコンポジット技術を応用する点に新規性があり、材料創製から評価までを一貫して行っている点は独自性があると言えます。
(注1)エポキシ樹脂のポリマーにアルミナなどのフィラー(添加物)を充填(混合)して形成した複合材料です。
(注2)フィラーの合計表面積は格段に増加し、種々の特性改善が顕著に現れます。

● 今後進めたい研究

① ナノコンポジットの絶縁材料としての機能追求
② 新しいナノ粒子の新特性発現追求

● 特徴ある実験機器、設備

ポリマーナノコンポジット創製装置、固体絶縁破壊試験装置、ナノ粒子分散装置、屋外絶縁材料評価装置、部分放電測定装置

● 知的財産権(技術シーズ)

① 『ポリマー系ナノコンポジットの製造方法』特開 2006-249276号
② 『電気絶縁材料用の樹脂組成物及びその製造方法』特開 2009-13227号

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

『オールソリッド変電所の要素技術開発』
『ナノコンポジット技術を用いた高熱伝導性エポキシ絶縁材料の開発』
『パワーモジュール用ポリマーナノコンポジット絶縁材料の開発』
『ポリマーナノコンポジットを用いたポリマー碍子用外被材の開発』
『圧電型ポリマーアクチュエータの開発』
『電力用変圧器の絶縁診断技術の開発』
『耐インバータ用ナノコンポジット線の開発と評価』
『回転機絶縁診断のための部分放電検出技術開発』

● 研究室ホームページ