イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

水町 光徳

みずまち みつのり

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
2000
博士(情報科学)
北陸先端科学技術大学院大学
2000
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学研究科
情報処理学専攻
博士課程修了
1997
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学研究科
情報処理学専攻
博士前期課程修了

学生時代より、人と音との関わりに興味を持ち、科学的視点と芸術的感性の融合により、人と機械のための音情報処理に関する研究を行ってきました。現在、数理モデリングによる、音情報処理の高度化とその工学的応用への展開に興味を持っています。

受賞
日本音響学会 第23回 粟屋潔学術奨励賞受賞

音情報処理の未踏領域への挑戦

● 研究テーマ

  • ❖数理モデリングによる音情報処理の高度化に関する研究

● 分野

知覚情報処理・知能ロボティクス、計測工学

● キーワード

音響信号処理、統計信号処理、数理モデリング、聴覚心理、建築音響

● 実施中の研究概要

私たちは、常に音に包まれて生活を営んでいます。その音には必要な情報が多く含まれていますが、不要な情報も含まれています。
私たちは、2つの耳によって混沌とした音情報を把握し、意識的または無意識のうちに必要な情報のみを分離・抽出することができます。そこで、極めて優れた私たちの音情報処理機構を規範として、数理モデリングと音響・統計信号処理による音源分離の機能モデルの構築を進めています。
本研究では、生物の高度な情報処理システムの模倣に留まらず、多種多様な視点による音情報の観測を通して、これまでに用いられることのなかった新たな音響特徴量を探求しています。本研究の到達目標は、音源分離をはじめとする音情報処理システムの高精度化を目指し、効率的かつ普遍的な音響特徴量の提案です。
本研究の成果の一部は、携帯電話や補聴器などの様々な音情報処理システムのための雑音除去技術としての産業応用が考えられます。
現在、複数の企業との共同研究を通して、本研究成果の産業展開を推進しています。また、新たな音響特徴量の発見が、私たちの聴覚機能の解明の一助となることを期待しています。

● 今後進めたい研究

① 様々なシーンにおける音情景データベースの構築
② 新たな音響・空間センシング手法の確立
③ 室内空間における音の特徴の定量化

● 特徴ある実験機器、設備

【16-chマイクロホンアレーシステム】
16個の高感度マイクロホンを直線配置して48kHz/16bitの高精度で音響信号を観測するシステム
【高忠実音響信号再生装置】
モノラルまたはステレオ音響信号を忠実に再生するための再生装置

● 知的財産権(技術シーズ)

『音響信号処理装置、音響信号処理方法、およびコンピュータプログラム』 (特許出願2010-000238) 
『マイクロフォンアレーにおけるマイクロフォン受音信号の同相化方法および同相化装置』 (特許公開2005-260744) 
『マイクロフォンアレー』 (特許公開2005-260743) 
『ノイズ除去装置』 (特許公開2005-258158) 
『音源方向推定装置、信号の時間遅延推定装置およびコンピュータプログラム』 (特許公開2005-077205) 
『マイクロフォンアレー座標系の逐次的補正方法、マイクロフォンアレーにおけるマイクロフォン受信信号の補正方法および補正装置』 (特許公開2004-112701) 
『ステレオ音像制御装置および多対地間通信システムにおける対地側装置』 (特許公開2003-169399号)

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

▶現在、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)産業技術研究助成事業「周波数・空間フィルタリングと目的音源追尾との有機的融合による雑音除去技術の研究開発」を実施、産業展開を目指した応用研究を行っています。これまでに、自動車メーカーと情報通信研究所と共同研究を実施し、音響センシングならびに音声インタフェースの研究開発を実施してきました。また、音響信号処理技術の普及を目指して、LSI回路設計メーカーと守秘義務契約を締結し、専用ICの開発にも携わっています。
▶「音源・音環境の統一的モデリングによる雑音に頑健な音源方向推定に関する研究」
文部科学省、科学研究費補助金、若手研究(B) (2008.4~2010.3)
▶「音響空間情報を用いた環境依存性の低い雑音除去法に関する研究」
文部科学省、科学研究費補助金、若手研究(B) (2005.4~2008.3)

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

http://www.ecs.kyutech.ac.jp/lab/lab_mizumachi.html
http://www.cc.ecs.kyutech.ac.jp/~mizumach/

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/77_ja.html