イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

本田 崇

ほんだ たかし

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
1967
生まれ
1996
博士(工学)
東北大学大学院
1996
東北大学大学院工学研究科博士課程後期3年の課程(電子工学専攻)修了
1991
東北大学大学院工学研究科博士課程前期2年の課程(電子工学専攻)修了

博士課程在学中は、磁気ひずみの大きな磁性薄膜の開発という物性寄りのテーマでした。
ある時、遊び心で基板の両端を折り曲げて磁界を与えたところ、薄膜がまるで尺取り虫のように動き出したのです。
これ以降、材料開発から磁気マイクロマシンの研究に大きく舵を切ることになりました。

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常識にとらわれない斬新なアイディアで磁石に命を吹き込みます!

● 研究テーマ

  • ❖新しい磁気マイクロマシンに関する研究

● 分野

マイクロ・ナノデバイス、電力工学・電気機器工学、医用生体工学・生体材料学

● キーワード

磁気応用、マイクロマシン、マイクロポンプ、マイクロモータ、生物模倣

● 実施中の研究概要

磁気現象を利用した小さな機械・小さなロボットの研究開発を行っています。従来までの電磁駆動のマシン設計に、生物模倣(バイオミメティクス)や摩擦駆動といった新しい概念を採用することで、性能の向上や新機能の創成を目指しています。

電磁駆動を採用するメリットとしては次のことがあげられます。
① 大きな発生力・大きな変位が得られる。
② 単純な機構・安価に作製でき、高信頼性が得られる。
③ 耐汚濁性・耐環境性が高い。
④ 永久磁石を利用することにより、ワイヤレス駆動・バッテリーレス駆動が可能となる。
期待される応用分野は先端医療デバイス、プラントの検査、アミューズメント分野、マイクロファクトリ、モバイル機器があります。

具体的な応用研究例として3例紹介します。

【摩擦駆動型電磁マイクロモータに関する研究】
電磁力による微小な振動を摩擦力によって回転運動に変換する新規なマイクロモータです。小型化しても高トルクを発生できるため、モバイル機器やロボット手術などのアクチュエータとしての応用が期待できます。

【外部磁界で駆動可能なマイクロポンプに関する研究】
体の外からの磁界で経皮的に駆動できるマイクロポンプで、産婦人科の医師と共同で胎児水頭症の新しい低侵襲治療法を提案しています。

【生物模範型マイクロロボットに関する研究】
青少年の理科離れが社会問題になっています。原理や構造がシンプルにもかかわらず、生物的な柔らかい動きをする水中ロボットを作製し、速さを競い合ったり動きをコントロールしたりする新しい科学教材を提案しています。(イルカ型マイクロロボット、ゲンゴロウ型マイクロロボット)

● 今後進めたい研究

磁気を使うことのメリットが活かせる医療分野や、磁気が持つ不思議さを伝える科学教材などの研究開発を中心に進めていきたい

● 特徴ある実験機器、設備

レーザドップラー振動計
高速度ビデオカメラ
大型ヘルムホルツコイル(特注品、内径60cm)

● 研究室ホームページ

体内埋込用マイクロポンプ

摩擦駆動型電磁マイクロモータ

科学教材用魚ロボット