イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

准教授

中司 賢一

なかし けんいち

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
1963
生まれ
1997
博士(工学)
九州大学大学院
2002
九州大学大学院
大学院医学系学府分子
生命科学系専攻
博士課程退学
1987
九州大学大学院
大学院工学研究科
電気工学専攻
修士課程修了

分子生物学に興味があり、アメリカ滞在中に生化学の授業を受け、帰国後医学系大学院で大学院生としてDNAを使ったナノ構造体の作製を研究テーマとして、バイオ系のウエット実験を毎日行っていました。それまでは、電気工学の分野に長くいましたが、その経験とこのバイオ系の経験を融合し、バイオ系のセンサーの開発に生かせるのではないかというのが取り組むきっかけです。

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集積回路により「プロの技術」が「家庭の道具」にチェンジ! 賢いデータコンバータ、ダイナミックに再構成します

● 研究テーマ

  • ❖アナログ世界とデジタルワールドを繋ぐ集積回路システムの開発

● 分野

電子デバイス

● キーワード

アナログ集積回路システム、AD/DAコンバータ、小型化味覚センサ

● 実施中の研究概要

①集積回路によるシステムの小型化
 集積回路(LSI)は、日常生活において携帯電話やテレビなどの家電製品から自動車、あるいは社会インフラなどのシステムを実現する根幹部分を支えています。新規のアイデアによるLSIにより、これまで世の中に存在しなかった製品、あるいは、実用化されていたとしても大きい、重い、あるいは使い勝手がよくなかった製品をより小さく、軽く、また、使い勝手の良い製品を実現することができます。例えば、心電計や人の五感のひとつである味覚を測定する装置(味覚センサ)は、通常は大きな医療用や工業用の装置で、日常的には容易に使うことはできません。ここに、LSIの技術を導入すると、掌に載る程度まで小さくすることができます。現在、「プロの道具を家庭へ」を目指し、アナログ集積回路システムの研究を行っています。
② 再構成可能なアナログ集積回路の研究
 通常のLSIは一度製造されると後から機能を変えることができません。LSIが状況により内部構成や回路定数をダイナミックに変えて再構成きれば応用範囲も広がります。特にアナログデータコンバータに着目し、再構成可能なADコンバータ/DAコンバータの研究を行っています。

● 今後進めたい研究

①動作に必要なエネルギーを環境から自律的に獲得し、賄うことのできる自律システムの開発
②Bio-inspired システム(生化学/分子生物学とエレクトロニクスの融合)

● 特徴ある実験機器、設備

集積回路設計用ワークステーション、サーバ(サン3台)
LSI設計用Linuxマシン(デル、多数)
ロジックアナライザ(テクトロニクス)
信号アナライザ(アジレント)
デジタルオシロスコープ(テクトロニクス)
高精度LCRメータ(アジレント)
プリント基板製造機(ミッツ)

● 知的財産権(技術シーズ)

『半導体型味センサ装置』 特願2009-200396号 
『パイプライン型アナログデジタル変換装置』 特願2009-192937号
『露光装置、露光パターン決定装置、露光パターン決定方法、その露光パターン決定方法をコンピュータに実行させることが可能なプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、および、マスク』 特開2006-73764号

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

▶感性バイオセンサーの開発
文部科学省、科学研究費補助金、基盤研究(S)(2006-2011) 分担
▶超低消費エネルギー化モバイル用システムLSIの開発
文部科学省、知的クラスター創成事業(Ⅰ期)(2003-2007) 分担
▶安全・安心のためのバイオエレクトロニクス技術の研究開発とセンシングLSI化
文部科学省、知的クラスター創成事業(Ⅱ期)(2007-2012) 分担
その他
・民間との共同研究(アナログ集積回路の開発) 計7件(2005-2008年度)
・ATR非常勤研究員(2006-2008)

● 研究室ホームページ

http://www.ecs.kyutech.ac.jp/lab/lab_nakashi.html

① 小型化味覚センサ

② 味覚センサチップ

③ 再構成可能なADCチップ

④ 再構成可能なADC