イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

助教

今給黎 明大

いまきいれ あきひろ

所属
工学研究院
電気電子工学研究系
プロフィール
1985
生まれ
2009
鹿児島大学 大学院 理工学研究科
博士前期課程 電気電子工学専攻 修了

大学時代,当時の先生の熱心な指導を受けながら,自身で電子部品を選定して,基板を設計し,インバータ装置を立ち上げてモータを自分の思い通りに動かす体験が感動の始まりでした。この体験が私の研究のきっかけであり,今日もあの時の感動を体験したくて,日々の研究に対しても初心を忘れず取り組んでいます。

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走行中でも充電ができる無人搬送車向け非接触給電システムの研究

● 研究テーマ

  • 工場用無人搬送車を対象とした非接触給電システムの研究

● 分野

電力工学・電力変換・電気機器

● キーワード

非接触給電,永久磁石同期電動機,電力変換,インバータ,次世代パワー半導体素子(SiC,GaN)

● 実施中の研究概要

 現在,プラグを直接接続しないで非接触で電力を伝送する「非接触給電」の技術が注目を集めています。私たちの身近な製品である電動歯ブラシ,携帯電話のような小さな電力量の製品では既に実用化されています。最近では,電気自動車も充電プラグを用いずに充電する時代が来ようとしています。このように,プラグを用いないで非接触で充電ができると良いことがたくさんあります。例えば,作業者が感電する危険性がないこと,煩わしい充電作業が伴わなくなること,これまで電気製品の適用が難しかった使用環境の厳しい水回りでも電気製品を適用できるようになるといったことが挙げられます。このように,「非接触給電」の技術により,省力化,安全性の利点に加えて,従来にはなかった新しい分野へ適用できる可能性が広がっていきます。
 私の研究では,工場で荷物の運搬に使われている無人搬送車AGV(Automatic Guided Vehicle)を対象に,AGVへ非接触給電技術を適用するための検討を行っています。現在は,非接触給電に用いるコイルの解析や試作した非接触給電装置の給電効率の測定を行っている段階です(図1:非接触給電の実験設備)。
研究の目標は,「AGVが走行中でも充電ができる非接触給電システムの開発」です(図2:非接触給電システム全体のイメージ)。この非接触給電システムが実現すれば,AGVの充電のために作業を止めて充電スタンドへ行く必要がなくなるため,工場の作業工程を止めることなく作業効率の向上が期待できます。

● 今後進めたい研究

・電動漁船を対象とした非接触給電システムの研究

● 特徴ある実験機器、設備

・xyzステージによる給電効率の自動測定装置

・電磁界解析ソフトANSYS

● 知的財産権(技術シーズ)

特開-2012-029524 「永久磁石式回転機」

●業績

【論文】
電気二重層キャパシタで回生機能を強化した電流可逆チョッパ付PWMインバータ,山本吉朗,今給黎明大,飯盛憲一,電気学会論文誌D,Vol.130,,No.5,pp. 699-708,2011年5月

● 研究室ホームページ