走行中でも充電ができる無人搬送車向け非接触給電システムの研究
電力工学・電力変換・電気機器
非接触給電,永久磁石同期電動機,電力変換,インバータ,次世代パワー半導体素子(SiC,GaN)
現在,プラグを直接接続しないで非接触で電力を伝送する「非接触給電」の技術が注目を集めています。私たちの身近な製品である電動歯ブラシ,携帯電話のような小さな電力量の製品では既に実用化されています。最近では,電気自動車も充電プラグを用いずに充電する時代が来ようとしています。このように,プラグを用いないで非接触で充電ができると良いことがたくさんあります。例えば,作業者が感電する危険性がないこと,煩わしい充電作業が伴わなくなること,これまで電気製品の適用が難しかった使用環境の厳しい水回りでも電気製品を適用できるようになるといったことが挙げられます。このように,「非接触給電」の技術により,省力化,安全性の利点に加えて,従来にはなかった新しい分野へ適用できる可能性が広がっていきます。
私の研究では,工場で荷物の運搬に使われている無人搬送車AGV(Automatic Guided Vehicle)を対象に,AGVへ非接触給電技術を適用するための検討を行っています。現在は,非接触給電に用いるコイルの解析や試作した非接触給電装置の給電効率の測定を行っている段階です(図1:非接触給電の実験設備)。
研究の目標は,「AGVが走行中でも充電ができる非接触給電システムの開発」です(図2:非接触給電システム全体のイメージ)。この非接触給電システムが実現すれば,AGVの充電のために作業を止めて充電スタンドへ行く必要がなくなるため,工場の作業工程を止めることなく作業効率の向上が期待できます。
・電動漁船を対象とした非接触給電システムの研究
・xyzステージによる給電効率の自動測定装置
・電磁界解析ソフトANSYS
特開-2012-029524 「永久磁石式回転機」
【論文】
電気二重層キャパシタで回生機能を強化した電流可逆チョッパ付PWMインバータ,山本吉朗,今給黎明大,飯盛憲一,電気学会論文誌D,Vol.130,,No.5,pp. 699-708,2011年5月